2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧
2022年4月30日2021年の師走に入った最初の日、まだ夜が明けぬままの未明の刻だった。東京には凄まじい風が吹き荒れていて、ぼくは床の中で眠れぬままの時間を過ごしていた。強い風が、安眠のため毎夜閉め切るシャッターを激しく叩く音が絶えず鳴…
2022年4月28日このところまた激しく泣き崩れてしまう日が増えている。今日もそんな1日だった。調子が崩れかけた原因は、昨夜読んでいた本の序文だったと思われる。──悲しみは、故人と2人で癒すもの──そんな一文を目にした途端、床のなかで嗚咽…
2022年4月25日彼女の葬儀を終えて火葬場へ移動する際、担当して下さったドライバーの方が労いと同時に、驚きを伝えて下さった。「あんなに花で満たされた棺は初めてです」遺影と共に助手席に乗ったぼくにそう話しかけて下さったとき、しばらく続…
2022年4月25日真の悲しみを知らずにいた蒼い時代には、上辺だけの言葉をいくつも吐いていた記憶がある。当事者になった今、痛切に思い知らされているのは、そんなことなど、到底できない、ということだ。──前を向く──この悲しみは、決して消えな…
2022年4月21日母の死から一ト月後に起きた婚約者の急逝は、文字通りあまりに突然な出来事だっただけに、未だ強いショックと深い悲しみに囚われている。今まさしく〈はれもの〉な状態のぼくはその自覚があるゆえなのか、それとも元来そうして生きて…
2022年4月19日納骨式から戻って以来、ほとんど寝込んでいた1週間だった。帰京直後にぼくのことを案じて集ってくれた友人の輪のなかで過ごした時間もあった。しかし、安心な時間があればあるほど、その輪のなかに彼女がいないことが強調されてしま…
2022年4月17日また酷い抑うつ状態に陥っている。彼女の納骨式に立ち会う間、亡くなった彼女のことを知る人たちに会えば、その時間は気が紛れるはずだった。ところが気づけば、その時間はぼくに、彼女の不在をより色濃く知らしめることになった。─…
2022年4月14日この悲しみに、再び打ちのめされてしまった。婚約者の納骨式に立ち会うにあたり、ぼくは期待を抱いていた。この悲しみを共有できる輪のなかで、今からおよそ90日前──危篤から火葬を終えるまで──に体験した奇跡のような時間が再び訪…
2022年4月10日彼女の納骨式に立ち会った。この日、樹木葬が執り行われ、彼女の遺骨を大地へ埋葬した。──儀式は、遺されたものの気持ちを静めてくれる──いつか、遠い遠い未来から今日のことを振り返る日を迎えることができたら、この日が明らか…
2022年4月8日母の喪失に備えて、グリーフケアや悲嘆に関する書籍を読み始めたのは、今から5年ほど前のこと。知識を蓄えておけば、予想できない悲しみを乗り越えるために役立つのではないか? そう考えて取り組んでいたことだが、同時に、絶えず頭の…
2022年4月8日一日も早くこの状況から抜け出したい──。残された自分の人生を全うするために、強くそう願っていた。しかし、そのためのエネルギーは、未だ一切ない。そんな状態で無理し過ぎていたのだろう。現実と理想のギャップに、完全に打ちのめさ…
2022年4月6日亡くなった婚約者の納骨式が近づいている。四十九日のころはまだ感染拡大が続いていて、予定が組めなかったとご家族から伺っている。誰よりも感染拡大を抑えたいと願っていた彼女のことだから、その時期に人を集めることを望まなかった…