主夫ロマンティック

独身中年男子の介護録──母が授けてくれたこと。そして、それからのこと。

2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

【新生のラザニア】

2022年12月18日⁡出来立てのラザニアを目の前にする多幸感はこのうえない。⁡だがしかし、高温なオーブンで焼かれたラザニアは、水分を飛ばすまで煮詰めたミートソースからあますところなく肉汁が流れ出し、同時に、惜しまず入れたとろけるチーズが、…

【52の手習い──初めてブイヤベースを作った日】

2022年12月17日⁡誕生日の夜は、ひとり晩餐会を催した。⁡ここ数ヶ月、身体のことに加えて、複雑化した悲嘆感情のこと、そして来る未来に備えて整えるべきことに取り組み続けた結果、少々、「治療疲れ」のような状態に陥っていた。あちこちの病院や治…

【52歳──新生の誕生日】

⁡2022年12月17日⁡52歳になった──。⁡一年前の今日のことは、今でもよく憶えている。母が息を引き取ってから一週間後に母を荼毘に付し、さらにその一週間後がぼくの誕生日──どこか計画的に思えるこの流れから、ぼくはこれから、この世での生を終えるま…

【ご縁が繋いでくれた仏壇の閉眼供養(2)】

2022年11月24日⁡それは、亡き婚約者が繋いでくれたご縁だった。その声なき想いに応えることもまた、彼女への供養となる──。⁡そのご縁の強さを改めて思い知ったのは、閉眼供養の日取りがきまったときだった。その日程は、まるで必然に導かれるように…

【ご縁が繋いでくれた仏壇の閉眼供養(1)】

2022年11月24日⁡母と婚約者のふたつの死から半年ほど経ったころ、この状況を一変させるためには、ここから新しい土地へ移る必要があると感じ、大小あらゆる準備を進めてきた。しかし、想像をはるかに上回る悲嘆感情に支配され続けたこともあり、その…

【ぼくだけのクリスマス(2)──亡き婚約者の生誕祭】

2022年11月18日⁡ぼくがここへきた最大の理由は、彼女の生誕祭を、彼女と過ごした想い出の場所で行うためだった。彼女が先立ってから、その死を悼むばかりのこの一年のなかで、ぼくは心のどこかで──潜在的にと言ってもいい──祝祭の場を設けたいと願っ…

【ぼくだけのクリスマス(1)──亡き婚約者の生誕祭】

2022年11月18日⁡ぼくが大好きな季節──秋──になった。⁡⁡──ここに立つのは、いつ以来だろう?──⁡⁡山間の寺院にある彼女の墓前に立ち、色づいた木々に時の移ろいを覚えながら、ふとそんなことを思い浮かべた。彼女の遺骨の埋葬に合わせて植え替えられた…