主夫ロマンティック

独身中年男子の介護録──母が授けてくれたこと。そして、それからのこと。

2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

【嗚呼、玄米みずびたし】

2017年10月31日 鶏胸肉をローストする傍らで、玄米を炊いた。 愛用の胚芽米が手に入らず、たまには玄米にするかと手にしたまでは良かったが、火加減水加減が掴めず、炊き上がりを期待して蓋を開けると、見事に水浸しのままだった。 こんな経験は何度…

【自炊再開】

2017年10月31日 気忙しさから少しだけ遠のいた夕暮れ、作業の合間に自炊を再開。敬愛する鶏胸肉を魚焼きグリルでローストした。 塩と胡椒だけの味付けだというのに、なんて旨いのだろう? ブラックマスタードシードも足すともう、「トマラナイ」味に…

【初めにいた場所に戻るその日まで】

2017年10月30日 〆切に追われていたことを理由にして、母の面会からまた遠のいていた。 「そろそろ着替えがなくなるころ」 そう案じていた昨日の午後、施設から連絡が入った。 受けると、洗濯物の催促ではなく、リハビリ中の事故の報告だった。事故…

【回想の森】

2017年10月30日 秋晴れの朝、森の小道を抜けて健康診断のため病院へ向かった。 母の事故以来、丸5年通い続けている病院は、当時の面影も少なくなり、すっかり生まれ変わっている。今年は遂に健康診断の仕組みも改善され、計測〜採血〜問診〜心電図ま…

【オモイダセナイ】

2017年10月26日 午前4時、台所で立ったまま夜食をとる。 〆切間ぎわというだけの理由ではなさそうなくらい、このところ、暴食してしまっている。 「これは昼、こっちは夜に、で、これが翌朝に」 自分で作った食事が美味しく感じられないこのごろ、1…

【主夫ロマンティック、シーズン6】

2017月10月20日 母の留守が続いてすっかり使われなくなった付箋が目に付いた。通院やリハビリの予定など、母のメモ代りに活用していたものだ。 ──10月15日── 気忙しくて忘れていたけれど、あれから丸5年が過ぎていた。今になって振り返れば、あの日…

【その気持ちに憶えがある】

2017年10月18日 言葉では言い表せそうにない感情があふれそうになっている。 またしばらく時間をおいて母の面会に行った。そんなに時間は経っていないはずなのに、痩せて元気のなさそうな母の表情をみて、胸が痛んだ。 話し相手には困らない。献身的…

【好きにさせてあげればよかった】

2017年10月5日 今夜、家中の注意書きをすべて剥がした。 仮に母がここへ戻って来られたとしても、もはやこれらは役目を果たさない。 改めて見返すと、異様にも思える。けれど、敗血症を繰り返したり、歯が次々と折れてしまったり…そうした出来事が続…

【その営みを何と呼ぶのか?】

2017年10月5日 母の面会に行った帰り道、秋らしいうろこ雲の向こうに浮かんだ満月をひとり見上げる。 ──七色の光を雲に映す── あの光が「月」だと知り得なかったころ、人の想像力はもっと豊かだったかもしれない。科学は自然の神秘を解き明かそうとし…

【予防接種の季節】

2017年10月5日 今年もこの季節の到来。母に代わって問診票を記入し、施設へ提出する。 ぼくも来月には受けておきたい。 出張前夜の今宵、面会に行ってこよう。 #主夫ロマンティック #介護 #介護者 #在宅介護 #介護独身 #シーズン5 #kawaseromantic #…

【気持ちのラベル】

2017年10月2日 96点──。 単純な足し算かと思いきや、正解は予め記されていて、「いくつ足したら数式が成り立つか?」という内容だった。 何問あるのかと数えていたら 「裏もあるんやで」 と答案用紙をペロんと裏返してみせた母。 なんと100問もあって…

【珠洲の栗】

2017年10月2日 15:00──。 目覚ましをセットしなくてもいい、そんな久しぶりの朝のはずだったが、目覚めると、時刻はすっかり夕暮れに差しかかろうとしていた。 未だ疲れの抜けないままの身体で台所に上がると、珠洲の地元の方からいただいた栗がある…