主夫ロマンティック

独身中年男子の介護録──母が授けてくれたこと。そして、それからのこと。

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

【母の献身に応える術】

2018年6月29日28時──。作り置きの白菜の浅漬けサラダを仕上げて後片付けを終えたところでこの時間になった。リハーサルからの帰り道に、疲れた身体に鞭打って買物に寄った。今夜からの食事をつくりおきたかったのだけれど、寝不足には勝てず、帰宅後…

【自分を映さなくなった鏡】

2018年6月29日昨夜も眠れずに朝を迎えた。眠れなかったのは、自分の甘さも原因のひとつであることは自覚している。その甘さを、あのとき誓った瞬間に断ち切れていれば、すべて他人事で済んだ出来事だった。しかし、昨夜は、不覚にも、あまりに不愉快…

【ただそこにいること】

2018年6月26日真夏を思わせる陽気に満たされた1日──仕事の現場下見の帰りに、母に会いにいった。ユニットに入り、職員の方に挨拶をすると、最近の母の様子を知らせて下さった。「毎日歌われていて、歌詞の意味も教えて下さいます」〈誰も寝てはなら…

【もう一度、音楽のある暮らしを】

2018年6月21日母が入居している特別養護老人ホームは、全部屋個室となっている。ならば、その環境を活かして、母に再び、音楽のある暮らしを──入居前からそう決めていたことを、ようやく実行した。当初は、使いやすいように、ポータブル型のCDラジカ…

【言葉にならない意思表示】

2018年6月15日梅雨らしい雨降りの日──母に会いに行ったのは、10日ぶりだった。──明らかに気持ちがざわついている──全力を出し切ったあとに襲い来るいつもの波が押し寄せてきている。これまでとは比べものにならないほど、今の波は穏やかであるのだが…

【母の笑顔があるうちに】

2018年6月5日いくつかの大仕事を終えて、久しぶりに母に会いに行った。今日はぼくのことを思い出せなかったようだけれど、居室に入るなり手を上げて迎え入れてくれた。「やぁやぁ」いつもの母だった。この前一緒にみた《サーカス》のこと、市原湖畔美…

【果たすべき約束がある幸運】

2018年6月4日6月3日──市原湖畔美術館での、ひびのこづえ展パフォーマンスプログラム、無事、閉幕。未だ経験のない、ながいながいロードを終えた気分だった。そのエンディングに相応しい極上の上演と、まるで映画のエンドロールを眺めているような助…