主夫ロマンティック

独身中年男子の介護録──母が授けてくれたこと。そして、それからのこと。

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

【愛のかたち】

このところ、この丼ぶりを毎朝、母と食べている。 納豆・豆腐・枝豆を混ぜ合わせて、もち麦入り雑穀ご飯にのせたもの。どこかのテレビ番組で紹介されていて試してみたらとても美味しく、卵黄をのせたり、チーズを混ぜたり、おかかを振ったり…今日は、焼鮭も…

【想いは伝わるのか?】

プリンスの訃報を受けて以来、彼の作品を聴き返している。 かつては、そのサウンドばかりに耳がいっていたが、ほんの少し英語を嗜み始めたここ数年は、その歌詞の内容が気になるようになってきた。誰よりも「究極のもの」を求めていたに違いにない彼が、そ…

【迫り来る新たなる決断】

横浜に2ヶ月だけ借りた仕事場からの図。 ここへきて、早くも2週間が過ぎた。 つまりもう、残り6週間だけの仕事場、となっている。 海辺の街は、雨の様子もまたひと味違って映るものだ。 ここへ向かう前の午前中、先週に母が受けた心臓検査の結果を聞きに…

【これがテレビ電話だよお母さん】

APPLEがFaceTimeをリリースしたのはいつだったろうか? そもそも通話はほどんどしないし、電話は顔が見えないからいいのだし…テレビ電話だなんて…恥ずかしいから…と、使うあてが見つからないままだったけれど、ついにその日がやってきた。そしてまさか、その…

【ぼくたちはここにいる】

今日は早い時間からスタジオにいく予定にしていたのだが、体調が持ちなおさず、自宅作業に切り替えた──風雨が吹き荒れた午前中、母を風呂に入れる前になって、昨日に続いてめまいを覚えた。もしやと思い血圧を測ると、見事予感は的中。降圧剤が効きすぎてい…

【42ヶ月】

42カ月──母が事故を起こしてから、丁度、3年半が過ぎた。丸3年が経ったとき、なんとなく一区切りついた気がしたけれど、それからもう、さらに半年も時を重ねたことになる。そして今はこうして、母とぼくのために、作り置いたおかずを弁当にする日々が始まっ…

【母たちのセカイ】

今の母にしか感じられない世界 (母と同じ未来がぼくに訪れたとき、どんなに虚しい気持ちになるだろう) ぼくはこれまで、できないことが増えていく母をみつめては、そんなふうに一方的に嘆いていた。けれど、それはきっと違う──母には今の母にしか感じられ…

決断を迫られるのはいつもぼく──次男・浩介

2015年10月15日──家の中で転落事故を起し、左側頭部を強打。脳震盪を起こした母は、1週間の入院予定となった。頬の感覚もなく、ぼくが誰かさえわからなくなるほどの状態から、1日経過してどう変化しているのか? 入院翌日の午後、指定された時間に病室へ向…

2012年10月15日──始まりの日

素直になりたい。 ぼくはそれだけを願って生きてきた気がする。 母、浩江。1933年(昭和8年)生まれ。山羊座。 今から6年前──2009年3月14日、母の3つ歳上の姉がなくなった。享年78歳。それからだった。母が死に支度を始めたのは。 ぼくは当時、横浜市からの…

主夫ロマンティック誕生──はじめに

映画《アンダーグラウンド》のラストカットで、自由奔放で破天荒な主人公がこう言い放つ──昔のことは忘れろ──。 確かにそうかもしれない。 母の介護が始まって、まもなく丸3年になる。この期間、ぼく自身にとっても色んなことがあった。キャリアとしても重要…