主夫ロマンティック

独身中年男子の介護録──母が授けてくれたこと。そして、それからのこと。

2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

【あの聞きたくない言葉】

2018年9月30日通い始めて3ヶ月になるジムのそばに、ピザ店がある。いつも前を通りかかるのは、営業時間後の深夜──焼けたオーブンのほのかな匂いがそっと鼻に届く。──それが心地よく感じるのはなぜだろう?──昨日、そんなことを思い浮かべながら食材を…

【ギフト】

2018年9月21日全力主義──ほどほどにしないと心身が持ちこたえられそうにない。相変わらず音作りに度が過ぎて、昨日も一日中、眠り続けていた。「長時間眠れるのは、若い証拠」いつだったかそんな話を聞いた憶えがある。眠ることにも体力を使うのだそ…

【混乱に棲む美】

2018年9月14日今日の午後、この数日案じていた通り、母は入院した。一昨日から大きく様子は変わらないままだった。発熱も未だ続いている。容体に改善がなかったため、施設から病院へ搬送された。いくつかの検査を経たのち、病室の準備ができるまで、…

【親孝行な音楽】

2018年9月13日今日もいつもの時間に、母の容体について施設から連絡があった。食欲には回復傾向がみられるものの、全体的な印象は相変わらずとのこと。そこでやはり、明日は病院受診をすることになった。そのまま入院となる見込みだという。その前に…

【大阪に帰りたい】

2018年9月12日夕暮れ前、予定通り施設から連絡があった。今日行われた往診の結果と現在の母の様子の報告だった。食欲は昨日よりも低下したらしい。発熱は少し治ってきているが、大きく状況は変わらず。抗生剤を金曜日まで試して状態が変わらなければ…

【理性を超えた想い】

2018年9月11日今の母に会うには、心身ともに100%の状態が求められる。少しでも弱っていると、ぼくが多大なるダメージを受けてしまう──そんな不安があって、高熱を出していると報告を受けてから未だに顔を出せずにいた。しかしそうも言ってはいられな…

【父が父になった日】

2018年9月10日母だけではない。兄の誕生日である9月7日は、父が父になった日でもある。兄が還暦を迎えた今年、母と父がそれぞれ親になって60年が経った。あいにく、この世で父が父で入られた時間は12年。兄の干支が丁度ひと回りするまでだった。そ…

【整髪で気を整える】

2018年9月9日 夏も終わりだというのに──短髪。 嗚呼、とても疲れた表情だ。 無理もない、か…。 #主夫ロマンティック #介護 #介護者 #介護独身 #シーズン6 #kawaseromantic #母 #特養 #入居中 #川瀬浩介 #元介護者 #整髪 #散髪 #セルフカット #気 #hair…

【施設からの電話──抱擁の力を信じて】

2018年9月8日未だ全快に届く気配のない週末の土曜日──父の墓前に兄の還暦を報告にいくつもりだった。昨日の母とのやりとりも気になったままだし、墓参りのあと、もう一度母に会いに行こうと考えていたが、すべてキャンセルして、養生に専念することに…

【母が母になった日】

2018年9月7日60年前の今日、兄が誕生した。それはつまり、母が母になって、今日で60年が経ったということになる。「今」という瞬間は、現在の母にとって認識できない事象になっている。ぼくは未だ体調が優れないままだから「今日」にこだわる意味もな…

【雨・雨・雨】

2018年9月2日救急車を自分のために呼んだのが、まだ昨日の朝のことだなんてまったく思えない。もう随分前の出来事のように感じる。適正な検査の結果、身体機能に異常がないことがわかって何よりだったが、今朝目覚めても、未だ疲れや違和感は拭えてい…

【さよならテレビ】

2018年9月1日こんな日が来るだなんて…。旧フジテレビがあった新宿・曙橋界隈で育ったぼくは、思春期のころ、隆盛する同局の勢いを目撃しながら、将来はテレビマンになりたいと思っていたことさえあったというのに。──無常──万事は絶えず移ろい変化して…

【自分で自分のために救急車を呼ぶ朝】

2018年9月1日この疲れは、侮れなかったようだ。昨日の夕方に感じた違和感が、その後も明け方まで断続的に続いた。──左胸が苦しい──思えば二ヶ月前から喉が痛い。一ト月前からは左肩も痛む。──これはまさか──救急車をお願いするのは、母にために何度も…