【自分のワクチン接種券、届く】

２０２１年６月２３日
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遂にこの日がきた。なんだか実感がまだ湧かない。映画のワンシーンのなかにいるような感覚があるが、仮に映画の中だったとしても、ここで放たれるセリフはきっとこうだ。
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──これは現実だ──
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先日、居住地区の役所が設けたワクチン接種に関する特設サイトを眺めていた。特別なんの期待もなくアクセスしたのだが、よく内容を確認していると見逃せない文言があった。
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「基礎疾患のある方への優先接種に向けた事前に申請を受付中」
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全高齢者への接種の目処が立ち、次の段へ進む準備が始まったのであろう。
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この情報を目撃した数日後、予定されていた毎月の定期受診のため主治医のもとへ向かった。普段の診察を終えたとき、優先接種申請の意思がある旨を伝え、最新の接種事情などを教えていただきつつ、接種に向けた注意事項など確認。さらに、万が一に備えるための対策も指示いただいた。
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帰宅して事前申請をネットから済ませた。母の２度目のワクチン接種が迫っているため、それを終えて無事を確認してから１週間後くらいに自分の１度目を迎えられたら望ましい・・・そう願っていたところ、早速、今日、接種券が届いたため予約を始めた。
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母の接種のために得た情報で、実施までの流れは既に確認済みだったため、希望通り、最寄りのクリニックで接種を受けようと電話するも、既に当分先まで予約が埋まっているとのことだった。そこで、ネットから集団接種会場の予約を取ることにした。
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近場の会場は、学校施設を利用しているケースが多く、週末のみに日程が限られるらしい。希望地域と最短で受けられる日付を入力するも、既に埋まっているのか候補さえリストに上がってこない。仕方なく、１日ごとに候補日をずらして検索を続けると、意外にも３手目で候補会場がヒットした。それでも最短で受けられる会場での残りの枠は、既に１桁だった。
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その中から、選べる時間帯を選択し、予約はすんなり完了した。念のためスクリーンショットを収めたのはもちろんだが、即座に登録メールアドレスへも確認の内容が送られてきた。
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結果的に、日付も時間帯も、最も理想的な条件となった。あとは当日に至るまでに、体調を整えること──それに尽きる。
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これまで、過ぎるほど厳格な感染予防対策と、過剰なまでの行動制限を自ら行なってきたゆえ、既に「辛抱」の限界を超えてしまっている（ぼくの「辛抱」は「我慢」とは異なるものと自覚している）。
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ここ最近の不調の一因は、まさにその「限度」を遥かに過ぎてしまったことによるものだと思われる。
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──よく寝て、よく食べて、よく笑う──
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未だ健在らしい母の笑顔が物語っている通り、「笑う門には福来る」──それをもう一度、目指していく（母には一年半近く顔を合わせていないが施設からの報告で確認している）。
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──今日もまた目が覚めて、生きている──
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何がなくとも、ただそれだけのことを至高の幸運として、純真な心で感じられるようになるときまで。
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