主夫ロマンティック

独身中年男子の介護録──母が授けてくれたこと。そして、それからのこと。

【今夜もまた、いつか母と見上げた天井を見つめて】

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2018年2月14日

 

21時──。

 

気を遣っているのだろうか?

 

いつもの施設での就寝時間になると、母は「そろそろ寝るわ」と言ってベッドに案内するよう求めてきた。

 

立ち上がりはもちろん、今では一歩脚を出すことが困難になってきている。居間からベッドまで、わずか数メートルの移動がとてもながく思えた。

 

母を寝かしつけると、一気に疲れが回り出した。今の母の状態では、起き上がることさえ介助がいるだろう。ベッドにいる間に仕事をと思ったが、明日の通院付添いに備えて、ぼくも少しでも身体を休めておくことにした。

 

今夕、ヘルパーさんに母をおんぶして登ってもらった階段に腰掛け、天井を見上げながらひと息…。

 

介護が始まったばかりのころ、よくここでふたり動けなくなって天を仰いでいた。母の急な弱りように、ぼくはただただ慄くばかりだった。

 

 

──あれからもうじき6年になる──

 

 

どうりで疲れやすいわけだと、あの日の景色を思い浮かべながら重い腰を上げ、自分の寝室へ向かった。

 

 

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