APPLEがFaceTimeをリリースしたのはいつだったろうか? そもそも通話はほどんどしないし、電話は顔が見えないからいいのだし…テレビ電話だなんて…恥ずかしいから…と、使うあてが見つからないままだったけれど、ついにその日がやってきた。そしてまさか、その最初の相手が母になろうとは!
──未来がやってきた──
まさしく「夢にも思わなかった」その日である。改めて、今日という日はなんとも不可思議である、と、二ヶ月限定の仕事場である横浜の、海辺の夕景をFaceTimeで母に中継しながら考えていた(ぼくには通話というより、中継に近い感覚があって、とても素晴らしいと思った)。
練習に、目の前からFaceTimeでコールしてみると、特に使い方を教えずとも着信を受けることができることにまず驚いた。そしてその様子を眺めながら、昔から新しもの好きだった母のことを思い出した──頼んでもいないのに、任天堂の家庭用テレビゲーム1号機(テニスやブロック崩しができるモデル)を買ってくるし、ベータ方式のビデオデッキが突然家に届いたときには「音だけじゃなくて、画も撮れるのかっ!?」と、ぼくの方が驚かされたくらいだった。「パソコンに興味がある」と言ったら、どこかからシャープのモニタ一体型モデルをレンタルしてきてくれたほどだし、母が若かったら、iPhoneも誰よりも早く手にしていたことだろう。今の母には、ガラパゴス携帯やテレビのリモコンの方が扱いが難しいらしい。なにせ、ボタンがいっぱいありすぎるからね。
さて、次は何が覚えられるかな? Pepperを、どうにか我が家に招きたいのだけれど…。
ロボットと柔かな日常を過ごす──その未来を味わう日、やはり長生きはするものだと母は思えるだろうか?
ちなみに、【これがテレビ電話だよお母さん】とは、実際には口にしていない。「お母さん」や「ママ」だなんて、母のことを呼んだことはない。これまでなんて呼んでいたんだろう? なんだか恥ずかしくて、きちんと呼んだことがないかもしれない(この暮らしが始まってからは、「あなた」と会話のなかでは使っている)。
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