主夫ロマンティック

独身中年男子の介護録──母が授けてくれたこと

【オモイダセナイ】

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2017年10月26日

 

午前4時、台所で立ったまま夜食をとる。

 

〆切間ぎわというだけの理由ではなさそうなくらい、このところ、暴食してしまっている。

 

「これは昼、こっちは夜に、で、これが翌朝に」

 

自分で作った食事が美味しく感じられないこのごろ、1日分の弁当を買い置きするようになった。問題は、それらをほとんど一度で食べてしまうこと。

 

 

──どうした?──

 

 

恐らくそう簡単には改善されそうにないことを覚悟しながらささやかな反省をしつつ、気休めに豆乳を飲んでいると、お待ちかねの回想の時間が始まった。

 

 

──オモイダセナイ──

 

 

毎日毎日、カタカタと音を立てながら、母はご飯を作ってくれていた。食卓の記憶はたくさんあったはずなのに…それがどんな様子だったのか? ぼやけ始めている。

 

5年──母を見守る日々には、そのひとつひとつを憶えていられないほど、まさに数えきれない出来事があった。そしてぼくも気づけば、五十路の声が聞こえ始めるころ。ゆっくりと記憶も断片的になりかけているのだろう。

 

「疲れたら休んだらええがな」

 

母はとくに意味もなく、よくそう口にしていた気がする。

 

その声は、きっともう届くことはない。でも今度は、いよいよぼくの出番。

 

いつか誰かにそっと伝えてあげないと、ね。

 

 

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