主夫ロマンティック

独身中年男子の介護録──母が授けてくれたこと

【ぼくには、知る術がない──46歳、旧式】

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2017年9月12日

 

4:44──。

 

1時間ほどつけ置きした胚芽米と胚芽大麦を土鍋で炊き始める。

 

「無洗米」という便利なものがあるのに、わざわざ米を研いでいるだなんて…。

 

手を動かさずして収入が得られない身分としてはなかなかスリリングな行為であるが、危うさを伴っているがゆえか、「生きる」実感が自ずと湧き上がってくる。

 

「なにもこんな手間のかかることをしなくても」

 

と、我ながら思うが、〈手間隙〉かけて育ててもらったながき日々のことをこうして想うだけで、この〈手間〉のなかに十分な意味を見出せるものだ。

 

 

──「表現者は、そこにいるだけでいい」──

 

 

この、ある恩師の言葉を深く実感したのは、台湾にいたときのことだ。

 

異国から突然やってきて、そこに暮らし、記憶という「存在証明書」を遺し、去る──。

 

数えることはもちろん、測ることも触れることさえもできない「かけがえのない何か」が確かにそこにはあって、それを日々噛み締めながら、恍惚と憂いの狭間で解のない問いに向き合い、逃れ得ない葛藤を覚えつつ、人々と過ごす

 

 

──「今、生きている」──

 

 

そう何度も何度も感じたあの日々と同じ肌触りを、今もこうして淡々とした時を重ねながら思い返している。

 

 

──あとどれだけ時間が残されているのか?──

 

 

ぼくには、知る術がない。

 

 

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