主夫ロマンティック

独身中年男子の介護録──母が授けてくれたこと。そして、それからのこと。

【今夜、誰かの不安が癒えますように】

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2018年2月4日

 

2018年2月4日

 

溜まった洗濯物を届けに、夜、母の面会へ向かった。

 

 

──いつも通りのひと時──

 

 

繰り返される話に耳を傾けながら、ときおり言葉をかける──。

 

 

「そうだね」

 

 

お隣の入居者の方は、風邪を召されているのか至極調子が悪い様子で、就寝時間前になって何度もナースコールを頼っていた。お向かいの方はトイレに行きたいと、やはり何度も職員の方を呼ぶ──。

 

 

専門家と言えども、人。

彼らの憂いは、どこへ吸収されるのだろう?

 

 

そんな様子を耳にしているうちに面会時間終了の時刻に。

 

 

「アホなこと言ってみなさんを楽しませてあげるんだよ」

 

 

母と交わした約束を今夜も確認して、おやすみを伝えた。

 

エレベーターを降降りて外へ向かうと、出入口付近に赤いランプの光が反射していた。

 

母への救急要請ではないことは間違いない。

 

 

でも…。

 

 

──今夜、誰かがどこかで、不安に怯えている──

 

 

救急車が出番を待つ様子を見つめながら、いつか噛み締めた真夜中の病院での孤独を思いだしていた。

 

 

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