【42ヶ月】
42カ月──母が事故を起こしてから、丁度、3年半が過ぎた。丸3年が経ったとき、なんとなく一区切りついた気がしたけれど、それからもう、さらに半年も時を重ねたことになる。そして今はこうして、母とぼくのために、作り置いたおかずを弁当にする日々が始まっている。以前は、作り置いたおかずを自分で取り分けて食べることができた母だが、徐々にそれもできなくなりつつある。
恐らく1年前のぼくなら、そんな様子をみてはひどく落胆し、苛立ちを隠せなかったに違いない。でも今は、明らかに捉え方が変わっていることが実感できる。自らの問題について治療を始めたことと併せて、ようやく、この現実を受け容れられるようになったのだと、このごろ思うようになった──3年半──長すぎたとは思わない。母との時間が、たくさんの気付きを授けてくれた。そしてまだまだこれからも、それは変わることなく、授けられ続けることだろう。
そのすべてをきちんと受け止められるように、もっともっと、敏感でありたい──母はゆっくりと、背負った荷物を下ろし始めている。この世に思い残すことのないように。いつか、はじめにいた棲家に帰ってゆくために──こうして、母との濃密な日々を過ごせていることを、改めて幸運に思う。あれから3年半を迎えた日の真夜中に。
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2016年4月15日深夜 記
【ぼくたちはここにいる】
今日は早い時間からスタジオにいく予定にしていたのだが、体調が持ちなおさず、自宅作業に切り替えた──風雨が吹き荒れた午前中、母を風呂に入れる前になって、昨日に続いてめまいを覚えた。もしやと思い血圧を測ると、見事予感は的中。降圧剤が効きすぎていたらしい。少し休憩をとってから入浴介助を済ませ、ふたり分の昼を作って、弁当を詰めたころで、ダウンした。そのまま夜中まで眠っていたらしい。目覚めて血圧を測ると、無事正常値に戻っていた。
その後、作業の遅れを取り戻そうと、開発中のシステムのために手配した到着したばかりの新デバイスを認識させるため、マシンの調整に四苦八苦。数時間粘って、ようやく接続に成功。だいぶ遅めの夕食=弁当を頬張った。母は用意しておいた弁当をひとりで食べてくれたらしい。
母はいま「食べる努力」をしてくれているのだろう。詰めておいたぼくのと同じ弁当は、9割以上食べていた。放っておくと、手近に置けるお菓子や甘いものばかりでお腹を満たすから、ひとりの夕食はどうかと案じていたけれど、このところの様子に少し安心している。
母もぼくも、他の誰かを求めないのは、きっとお互いがそばにいられる現実がいまもあるからに違いない──ふと真夜中に、そんなことを思い浮かべた。
さて明日は、朝からごはんを炊こう。前回から試している、もち麦と雑穀入り胚芽米…親子揃って、なかなか気に入っている。
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2016年4月16日深夜 記