主夫ロマンティック

独身中年男子の介護録──母が授けてくれたこと

【顔も名前も知らない君へ】

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2018年1月4日

 

大きな袋いっぱいに、母の洗濯物が今夜も仕上がった。しっかりアイロンをかけて整えるのは骨の折れる作業だけれど、整った様は無条件に美しい。

 

しかし、こうして家事に熱中している間、ふとした瞬間に現実を考えてしまう。

 

 

──この時間、売上ゼロ──

 

 

自由業者として、なるべくなくしたい無給の時間を、自らこうして楽しんでしまっているのだから、あきれる。おかげで近頃はなかなかスリリングな日々だ。

 

 

──波瀾万丈を望んだのは、ぼくだ──

 

 

この、かつてのキメ台詞を放ったのは実に久しぶりな気がする。

 

「便利になる」ということは、その実、時間に追われる毎日が背中合せにあることを自明しているようなものだ。日常の営みを誰かにまかせて、それこそ正義と言わんばかりに「それで雇用が生まれる」とうたう。見えない誰かのためにあくせく働き、家族や友人と顔を合わせる時間もない。それを穴埋めするように、こうして毎夜、オンラインに紛れ込む…。その環境管理に雇用が生まれ、その対価を支払うためにまた、ぼくらは時間という名の生命を捧げる。

 

 

──この浮世はいつまでも発展途上──

 

 

いつの時代も変わることのないこの未完のシステムがもう少しマシになる日を見届けるまで、ぼくもこの世で歩みたい。

 

顔も名前も知らない君のために。

 

 

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