主夫ロマンティック

独身中年男子の介護録──母が授けてくれたこと。そして、それからのこと。

【困った。実に困った。】

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2018年1月3日

 

いや、これはむしろ、「感激」というのが相応しいのかもしれない。

 

昨夜、ひっそりと炊き上げた十六穀米入り玄米…これが、あまりに旨いのである。

 

凡庸で退屈な食事の席では他のことに気を取られがちだが、この茶碗の前では目線を、意識を逸らすことができない。

 

 

──米だけ食べてこんなに美味しいと思えたことは、かつてあっただろうか?──

 

 

判断を鈍らせるような、気持ちを高揚させる出来事は何もない。けれど、米が、この米が、旨いのである。

 

近頃では珍しく、一膳では止まらない味わいだ。

 

 

──困った。実に困った。──

 

 

けれど、先程まで感じていた寒さは遠のいた。身体が消化活動に入り、エネルギーを使い始めたのだろう。この満たされている間に、今夜は早々に眠ってしまいたい。

 

実のところ、最近またうまく眠れなくなってきている。床のなかで温まって、まもなくエンディングを迎える読みかけの小説の世界に浸ろう。

 

それで今夜は、きっとぐっすり眠れる。

 

 

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