主夫ロマンティック

独身中年男子の介護録──母が授けてくれたこと。そして、それからのこと。

【寂しさを温めるための記憶の一片になるように】

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2017年12月27日

 

母の歯科治療、第2弾。

 

 

──ただいま受診中──

 

 

道中、先週と同じ曲を繰り返し聴きながら、1時間ほどのドライブ。会話の記憶はなかなか維持できなくなっているけれど、歌はまだ憶えているようで、手を叩きながら楽しそうに声を合わせて歌っている。中盤の女性コーラスが入る部分では、身体を左右に揺らしてリズムを取って笑う──。

 

それは、側からみれば微笑ましい光景に違いないのだが、こんな時間もいつかは幕を閉じるのだと思うと、無条件に込み上げてくるものを覚える。

 

 

──ぼくの知り得なかった母の子供時代を見ているよう──

 

 

誰にでも微笑みかけて、手を上げては「やぁやぁ」と挨拶をする今の母は、無邪気な子供の振る舞いそのもののように映る。少子化と言われて久しい現代、世の中に無垢の笑顔が足りなくなっている今、母の笑顔が誰かの心の扉を開くお役に立てたら…傍でいつものその笑顔を見つめながら、そっと願っている。

 

帰りもまた、たくさん歌っておくれ。いつか襲い来るであろう寂しさを温めるための、大切な記憶の一片になるように。

 

 

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