主夫ロマンティック

独身中年男子の介護録──母が授けてくれたこと。そして、それからのこと。

【壊れた身体で母を想う】

https://www.instagram.com/p/BVforSzjctX/

2017年6月19日

 

明け方、駐車場から自宅まで300メートルの距離を松葉杖を突きながらひとり歩く。

 

ちょうど一年ほど前のこの季節までは、病院へ診察に向かうため、母はこの道を歩いていた。地球の裏側まで旅したこともある母が、この300メートルを15分もかけて休みながら進む様は、観ているだけで辛かった。

 

故障により不自由を強いられる身になってみると、ひとつの動作だけで激しく体力を消耗していくことがわかる。両腕の腕力を頼りに身体を支えながら歩くのは、未だ筋力が十分にあるぼくでさえ持久力が試される。数歩行っては休む…それを繰り返していると、母の苦痛をこれまでより深く想像できる気がした。

 

──あと一歩──

 

それが出せないときがある。だから危険な体勢で動作してしまい、そうやって事故に繋がっていく。

 

考えてもできなくなるときが必ず来るから、身体に覚え込ませたいと必死だったけれど、身体が言うことをきかなくなるときもある。

 

──ぼくにもいつかそのときがやって来る──

 

そのとき、どんな風にこの日々を想い出すだろうか?

 

#主夫ロマンティック #介護 #介護者 #在宅介護 #介護独身 #シーズン5 #kawaseromantic #介護者卒業間近 #母 #老人保険施設 #入所中 #松葉杖