主夫ロマンティック

独身中年男子の介護録──母が授けてくれたこと。そして、それからのこと。

主夫ロマンティックのひとりごと

【笑顔、ふたつ】

2018年10月14日こういうものにはまったく興味がなかったけれど──。笑顔、ふたつ。#主夫ロマンティック #介護 #介護者 #介護独身 #シーズン6 #kawaseromantic #母 #特養 #入居中 #川瀬浩介 #元介護者 #笑顔 #smile

【繋がる回路──あんたにありがとう】

2018年10月12日 昨日に続いて、母を見舞いに行った。理由は、これである。 ──金本監督、辞任── スポーツ新聞各社全紙を手に入れようと思ったが、タイガースの記事をメインで扱っているデイリースポーツだけは流石に売り切れていた。 大阪出身の母が…

【いのちは ひとりじゃ しまえない】

2018年10月11日 今日は母の退院予定日、のはずだった。入居中の特別養護老人ホームとも連携して準備は万端だったのだけれど、直前になってまた発熱が始まって見送られることになった。 いくつかの仕事の合間に、少し久しぶりに母と顔を合わせた。発…

【授けられた奇跡に応えていく】

2018年10月6日半年ぶりの飲酒──ワイン・日本酒・ラム──かつての自分から思うとないに等しいほどだったが、久しぶりの身にしては結構な量をいただいた。今日は、母の病状についての説明が主治医からあった。入院に至った症状については改善されたとの…

【何かがここにある】

2018年10月5日23時、帰宅──。台所に向かうなり、作り置いてある品品を冷蔵庫から取り出して大きな皿に盛った。──サラダ、のようなもの──たまに作るオリーブオイルとにんにくを合わせたアボカドの醤油漬けに今回はケイパーを入れたせいか、酸味が増し…

【あの聞きたくない言葉】

2018年9月30日通い始めて3ヶ月になるジムのそばに、ピザ店がある。いつも前を通りかかるのは、営業時間後の深夜──焼けたオーブンのほのかな匂いがそっと鼻に届く。──それが心地よく感じるのはなぜだろう?──昨日、そんなことを思い浮かべながら食材を…

【ギフト】

2018年9月21日全力主義──ほどほどにしないと心身が持ちこたえられそうにない。相変わらず音作りに度が過ぎて、昨日も一日中、眠り続けていた。「長時間眠れるのは、若い証拠」いつだったかそんな話を聞いた憶えがある。眠ることにも体力を使うのだそ…

【混乱に棲む美】

2018年9月14日今日の午後、この数日案じていた通り、母は入院した。一昨日から大きく様子は変わらないままだった。発熱も未だ続いている。容体に改善がなかったため、施設から病院へ搬送された。いくつかの検査を経たのち、病室の準備ができるまで、…

【親孝行な音楽】

2018年9月13日今日もいつもの時間に、母の容体について施設から連絡があった。食欲には回復傾向がみられるものの、全体的な印象は相変わらずとのこと。そこでやはり、明日は病院受診をすることになった。そのまま入院となる見込みだという。その前に…

【大阪に帰りたい】

2018年9月12日夕暮れ前、予定通り施設から連絡があった。今日行われた往診の結果と現在の母の様子の報告だった。食欲は昨日よりも低下したらしい。発熱は少し治ってきているが、大きく状況は変わらず。抗生剤を金曜日まで試して状態が変わらなければ…

【理性を超えた想い】

2018年9月11日今の母に会うには、心身ともに100%の状態が求められる。少しでも弱っていると、ぼくが多大なるダメージを受けてしまう──そんな不安があって、高熱を出していると報告を受けてから未だに顔を出せずにいた。しかしそうも言ってはいられな…

【父が父になった日】

2018年9月10日母だけではない。兄の誕生日である9月7日は、父が父になった日でもある。兄が還暦を迎えた今年、母と父がそれぞれ親になって60年が経った。あいにく、この世で父が父で入られた時間は12年。兄の干支が丁度ひと回りするまでだった。そ…

【整髪で気を整える】

2018年9月9日 夏も終わりだというのに──短髪。 嗚呼、とても疲れた表情だ。 無理もない、か…。 #主夫ロマンティック #介護 #介護者 #介護独身 #シーズン6 #kawaseromantic #母 #特養 #入居中 #川瀬浩介 #元介護者 #整髪 #散髪 #セルフカット #気 #hair…

【施設からの電話──抱擁の力を信じて】

2018年9月8日未だ全快に届く気配のない週末の土曜日──父の墓前に兄の還暦を報告にいくつもりだった。昨日の母とのやりとりも気になったままだし、墓参りのあと、もう一度母に会いに行こうと考えていたが、すべてキャンセルして、養生に専念することに…

【母が母になった日】

2018年9月7日60年前の今日、兄が誕生した。それはつまり、母が母になって、今日で60年が経ったということになる。「今」という瞬間は、現在の母にとって認識できない事象になっている。ぼくは未だ体調が優れないままだから「今日」にこだわる意味もな…

【雨・雨・雨】

2018年9月2日救急車を自分のために呼んだのが、まだ昨日の朝のことだなんてまったく思えない。もう随分前の出来事のように感じる。適正な検査の結果、身体機能に異常がないことがわかって何よりだったが、今朝目覚めても、未だ疲れや違和感は拭えてい…

【さよならテレビ】

2018年9月1日こんな日が来るだなんて…。旧フジテレビがあった新宿・曙橋界隈で育ったぼくは、思春期のころ、隆盛する同局の勢いを目撃しながら、将来はテレビマンになりたいと思っていたことさえあったというのに。──無常──万事は絶えず移ろい変化して…

【自分で自分のために救急車を呼ぶ朝】

2018年9月1日この疲れは、侮れなかったようだ。昨日の夕方に感じた違和感が、その後も明け方まで断続的に続いた。──左胸が苦しい──思えば二ヶ月前から喉が痛い。一ト月前からは左肩も痛む。──これはまさか──救急車をお願いするのは、母にために何度も…

【リブート──コーヒーと珊瑚とケーキの記憶】

2018年8月30日 夕刻、帰宅して丸3日が経とうとしていた。 ようやく「コーヒーでも淹れてみようか」という気持ちが湧いてきたので、自分のために買った唯一の土産=35 COFFEEを手に取った。 ──摂取したカフェインが脳を叩くまで20分── 動ける気配が全…

【シャットダウン】

2018年8月30日起き上がれない。いや、「起き上がりたくない」と表現するのが正確かもしれない。──完全なる活動停止──出張による極度の疲労と母の受診付添いによる気づかれのダブルパンチを喰らった。今できる限りの栄養を摂取してひたすらに眠ったお…

【母の乱心──叩く・蹴る・噛む・抓る】

2018年8月29日沖縄出張から戻って中1日で横浜に向かった。母を歯科受診に連れて行くためだ。疲れはまったく収まる気配はなかったが、1日でもはやく、母の義歯調整を進めたかった。下歯の義歯が破損してからもうだいぶ時間が経ってしまった。それだけ…

【美はときに人を惑わす──6日6色の東シナ海】

2018年8月28日 前日の10時に現地を出て、帰宅したのは18時──それからほとんど丸一日、眠っていた。 帰宅後、ぼんやりしながら記録動画を自宅のテレビモニターで確認している間に、案の定、眠りに落ちた。生理現象で起き上がったのか、腹が空いて目覚…

【さよならの朝に】

2018年8月26日早朝に目覚めて、ベッドを見つめる──。沖縄滞在最後の夜は、こんな調子だったらしい。──ベッドに潜り込む気力さえなかった──打上げを終えて客室に戻ったのは、25時過ぎ。休むまもなく着替えて、24時間使えるジムに向かった。滞在期間中…

【夏の終わりに──夕暮れと鈴虫の声と蛍光灯】

2018年8月18日平成最後の夏が終わろうとしている。暦のうえではもう秋──昼間は蝉の声が聴こえるが、夜になると鈴虫が騒ぎ出す。自然は、今日もたしかに、時間が進んでいることを伝えてくれる。毎年この季節になると、母がよく口にしていた言葉を想い…

【カーキ色のソファー】

2018年8月17日頭のなかが色んなことで渦巻いている。こんなときは、単純作業をするのがいい。掃除や家の雑務は、まさに作務のような効果が期待できる。思考が整理されるのはもちろんだが、この一見、生産性も意味もなさそうな営みのなかに「ある気づ…

【めぐる命】

2018年8月15日今日、当時「この日」を実際に経験した母に会っておきたかった。当日のことはよく話してくれたが、今の母が何度目かの今日を迎えて何を口にするのか? それともしないのか? 興味があった。──やっとぐっすり眠れる──その日、母は12歳。…

【答えが知りたいわけじゃない】

2018年8月14日今夜も米が美味しく炊けた。十六穀米入り玄米である。ながらく胚芽米を愛用していたけれど、今年の春から玄米に切り替えた。つけ置き時間がながいなどやや手間がかかるが、ぼくの激しい咀嚼欲を十二分に満たしてくれるため、最近では、…

【虫の知らせ──premonition】

2018年8月13日この単語を憶えたのは、10代の終わりごろだったろうか。David SylvianがHolger Czukayと協働したアルバム《Plight & Premonition》を聴いたときだった。あれからながい年月が過ぎた今年、なんと再発を果たしたというので、現代的にスト…

【ひとりよがり】

2018年8月10日昨日の母の態度が、頭にこびりついて離れない。──途方に暮れる──母に背を向けられたときの気持ちを言葉にするなら、きっとこうだ。どうしたらこの気持ちを手放せるのか見当も付かなかった。ただ…母を見守り続けたこの6年近くの時間を思…

【母の苛立ち】

2018年8月9日従兄弟から毎年贈られてくる千葉・八千代の梨を母にも食べてもらいたくて、今日は丁寧に皮を剥いて、しっかりと保冷した状態で持っていった。──義歯はなくとも食べられる──その見込みが見事に甘かったことを思い知らされた。母は嬉しそう…