【サバイバルライフのための自前ロードマップ考──BURN or ALIVE】
2020年5月4日
18時から日本政府による発表がある。そろそろ、今後どういう事態を想定していて、それらにどのように向き合っていくのか? いわゆる出口戦略的な展望を聞かせていただけることを願っている。
完全収束または共存までの道のりには当然、いくつものフェーズがある。その流れの中で自分自身がどう振る舞っていくのかについても、考え尽くしておく必要がある。最近は、そのことばかり考えながら、これまで通り、日々を丁寧に過ごすことを念頭に置いている。
昨秋以来、随分と久しぶりにパンを焼いた。ちょうど新鮮な食材を食べ切ったので、混雑が予想される連休中の買いものを控えようと、まずは元から家にある食材を消費することにしたためだ。それに、一時的であろうとはいえ収入源が断たれた先行き不透明ななか、少しでも支出を抑える習慣を身につけたいという考えもあった。
今、ぼくの手元にあるリソースで、この危機を生きて「生活」していくことに役立つのは、培った思考と料理の技法くらい。東北の震災を経て、何事も出来る限り自力でこなせるように「自前主義」を加速させたことは、今となっては正解だったと言える。母の介護のため料理をするようになったことも同様だ。
「次は、来たる食料危機に備えて自家栽培に取り組む必要があるのかもしれない」
望まぬディストピアの先に回帰するかもしれない現実逃避的ユートピアの図を夢想しながら、昨夕、バターの代わりにオリーブオイルを使ったライ麦パンの生地をこねていた。
昨年、初めて自らパンを焼いたとき、その営みが人の生への欲求を表象しているように思えて、なかなか感動的だったことを憶えている。
──限られた材料に嵩を増す工夫を施し空腹を満たす──
発酵させて生地を膨らませてから焼くという発想はいつからあったのか? 自然界の天然酵母がもたらした天からの贈りものなのか? それとも人類が考え出した技なのか?
初めてのパン作りは、その味を楽しむより先に、そんなことを思い浮かべていたのだったと、昨夜、想い出していた。
この先、いくつもの未来が想像できる。どんな未来に向き合っていくことになっても、生き延びて、この危機をどうやって超えてきたのかを語り継ぎたい。
そのために、何でもいいから生活を維持するために働く。叶うなら、ひとの暮らしに直接的に役に立つことが望ましい。それと並行してとても重要なことは、表現活動を絶やさないことだ。それは経済活動に直結していなくても構わない。何故なら、特に音楽は、古来、祈りや祝祭のための営みだったはずだからだ。そうした本来の純真な目的にあらゆる表現活動が回帰するとき、アートが持つ真の力が発揮される。
──ひとの心に寄り添い、今を生きる勇気を呼び覚ます──
何より、そのアートの真の力は、ぼく自身にとって欠かせない支えになる。
これまでと何も変わらない。音楽という営みだけが、ぼく自身をあらゆる恐れから解き放ってくれるのだ。
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