主夫ロマンティック

独身中年男子の介護録──母が授けてくれたこと。そして、それからのこと。

【この恐れは何かに似ている】

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2020年5月1日

令和元日から1年が経った。

こんな日常がやってくると予想さえできていなかったのは、日々の暮らしに追われていたせい──その事実を反省しながらも、計り知れない恐れに押しつぶされそうな今、改めて自らに言い聞かせている。

「この危機に見舞われずとも、明日のことがわからないことは、宇宙誕生以来変わることのない真理のようなもの」


──だから何も恐れることはないのだ──


不安が駆け巡る脳を書き換えようと、こうして言葉を重ねている。しかし、未だ「この恐れ」を抑え込むには不十分らしい。

こうした「よくわからない想い」に決着をつけるには、ラベリングが有効であることを学んできた。


──喜怒哀楽──


人は言語を発明し、「こころ」という不可解な事象が生み出すあらゆる感情に意味づけ(ラベリング)をする。


「これが『美味しい』という気持ち」


かつての「日常」と変わることなく、西陽の当たる台所で誰のためでもなく炊き上げた極上の赤飯をひとり頬張りながら想う──。

「もしも『美味しい』という気持ちにラベリングができていなければ、きっと混乱に陥るだろう」

不可解な感情に翻弄されることなく過ごせるのは、このラベリングが果たせてのこと──そう解釈しているが故に、今ぼくは、自らを治める言葉を探している。


──「この恐れ」とは、何なのか?──


仕事を失う恐れはもちろん、生命を失う恐れでさえ、何も今に始まったことではない。どんなときも、その恐れと隣り合わせで生きているのだ。

言葉にするには、まだ時間がかかりそうだ。けれど、ずっと感じていることがある。


「この恐れは何かに似ている」


それは、かつて自分のそばに絶えずあった「ある恐れ」だ。

それが何なのか? おおよそその見当はついている。しかしもう少しじっくりと、己のこころの内を覗いてみることにしたい。「この恐れ」を消し去ると同時に、その「ある恐れ」とやらをもこの機会に手放すために。

それが果たせたら、この危機を超えた先に、望んでいた「今日」を手にできるに違いない。


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