主夫ロマンティック

独身中年男子の介護録──母が授けてくれたこと

【時代の潮流に逆行する日々】

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2019年1月9日

「最高のパフォーマンスには睡眠が大切」
「非効率なマルチタスクはやめてシングルタスクに」
「朝の時間が人生を変える」

今どき、世の中はこんなメッセージに溢れている。

48歳を迎えたばかりのぼく自身の体験として、このいずれの提案も共感できる部分が多いような気がしている。

介護と仕事が並行していたころには、まったく頭の中にスペースはなく、よく考えられなかった。あせる気持ちを挽回しようと眠る時間を削って必死にもがき、今度はうまく行かない現実から逃れようと酒場を朝まで歩いたこともしばしばだった。朦朧とするなかで、「今とは逆の暮らし──朝陽から始まる日々──が叶えられたら」と何度思い浮かべたことだろう。

そんな暮らしを遂に手にした矢先に、その逆…つまりもとの道を進まねばならぬときが早速訪れた。


──トラブル──


暖をとりながらも、防寒し凍えるような寒さを凌ぎつつ自宅のスタジオで作業を続けた。


「嗚呼、こんなときは誰か若者に任せて大将はゆっくり休むべきなんだろう」


そんな妄想が頭をよぎるも、すぐに首を横に振りこれまでを思い返した。


──これでいい──


こうして自力で乗り越える術を身につけてきたからこそ、現場で大きなトラブルを起こさずに済んだのだ。そうして積み上げてきたものが、今日のぼくを守ってくれるている。

昨日もあまりよく眠れなかった。眠気がやってきたときに食器を洗ってから床に就こうと手を動かしたら案の定…。1日の終わりに必ず食器を洗うというビル・ゲイツの習慣を思い浮かべなら、ひとり黙々とシンクまで磨いた。ゲイツは食器洗いという単純作業をこなすことで、何かインスピレーションを得ているに違いない──しかし昨日のぼくには、ただの眠気ざましになってしまった。

いや、実はただの眠気覚ましでは終わらなかったのだ。この6年、寝静まる母の傍らで家事をしながら、いろんな気づきを得た──昨日もまさに、そんな夜だった。

心身ともに凍りついた夜を越えて、ようやく朝を迎えた。日の光を見つめると体内時計がリセットされてますます眠気が遠のくとわかりながら、陽光が今を温めてくれると信じてカーテンを全開にした。それからしばらくして、期待通り、室温は2度も上がった。


──太陽まで、およそ1億5千万キロメートル──


どれくらい離れているのか? ぼくにはまったく想像できない。

鶏胸肉の蒸し鶏を作るときにでる土鍋にたっぷりの出汁を使って、最近はこんなスープを作る置いている。


──キャベツとにんにくの塩スープ──


今日のような寒い朝にはちょうどいい。にんにくと唐辛子の効果も身体を温めるのにひと役買ってくれたようだ。ゆっくりと、穏やかな心地に近づいてきている。

さて、朝陽を浴びながら少しだけ眠ろう。明るいうちにもう一度目覚めて、トラブル対応の続きをするのだ。

そう。問題は未だ問題のままなのである。


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