主夫ロマンティック

独身中年男子の介護録──母が授けてくれたこと。そして、それからのこと。

【答えが知りたいわけじゃない】

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2018年8月14日

今夜も米が美味しく炊けた。十六穀米入り玄米である。

ながらく胚芽米を愛用していたけれど、今年の春から玄米に切り替えた。つけ置き時間がながいなどやや手間がかかるが、ぼくの激しい咀嚼欲を十二分に満たしてくれるため、最近では、おやつ代りにも玄米を食べるほど多く食している。焼き海苔やおかか、ごまに柚子胡椒を和えたり、ときにはオリーブオイル(もちろんエクストラヴァージン)を使って味付けしたりもする。低糖質のため、食後も血糖値が上がらないのか、眠くならないのもいい。

母から台所を引き継いで以来、米を炊飯器で炊いた記憶は一度しかない。それも、久しく使われていなかった炊飯器を人に譲るとき、動作確認のために動かしたきりだ。

そんな昔のことを思い返しながら、今夜も耳を澄まして土鍋の声に耳を傾けていた。


──どうやって米の炊き方を見出したのか?──


そもそも、米は自生していたのだろうか? それを発見したとして、どのように食べられる状態まで導いたのか? 精米技術の向上も、現在のレベルに達するまで相当な時間がかかったはずだ──土鍋の構造だってそうだ。この蓋に設けられた穴は、画期的な発明だったに違いない。


──嗚呼、まただ──


そんなことを考えて何になる? きっと義務教育のどこかの時代に習ったはずだ。もはや思い出せるはずもないが、今どき、答え合わせするのは一瞬だ。知りたければ、即座にネットにアクセスすればいい。

しかし、ぼくは答えが知りたいわけではなかった。


──当たり前のことなど何もなかった──


今一度、その忘れがちな事実を心に刻む必要があったのだろう。それが何のためなのか、今夜はまだわかりそうにないけれど。


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