2018年5月11日
やや挙動不審になりつつあった録音データ記録用ハードディスクを新調するために、いつもの「少し遠回り」なルートで秋葉原へ向かった。
それは、初心を忘れないようにするためでもある。
──ところが──
CBS/SONY時代から30余年見つめていたSony Misicの看板が、ない。どうやら譲渡されたようだ。
──世は無常なり──
レコーディングエンジニアに憧れていたのは、高校生のころ。でもそれは、「作曲をしたい」という真の望みを封じるための口実でもあった。
──大企業傘下のレコード会社に就職する──
そう言えば、親も納得するだろうし、人生設計だって、きっと滞りなく進んでいく──そんな、経験の足りない青い考えに満ちていた。
どこにいたって、そこが安住の地になり得るかどうかは、自分次第。そのうえ、そこが理想の場かどうかなんて、実際に過ごしてみなければわからない。自分の気持ちさえ、日々、移ろっていくというのに。
明日のことなんて、誰にもわからない。だから今日を全力で過ごす──この1年、その誓いが果たせなくなっていた。母のことを言い訳にして。
この二タ月の間に目にしてきた出来事が、ぼくをさらに前進させようとしてくれている。今日、目の当たりにした景色もまた、決意を揺るぎないものにするために忘れ得ない記憶になるだろう。
──残された時間がどれだけあるのか?──
いつその瞬間を迎えても悔いのない日々を──それだけを期して生きよう。
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