主夫ロマンティック

独身中年男子の介護録──母が授けてくれたこと

【不滅の主夫ロマンティック】

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2018年4月29日

目指す丁寧な暮らしには、やはり「満たされた食」が欠かせない。

何の疑問を抱かせることなく、我が家には、楽しい食卓が常にあった。それを守り通してくれた母への感謝の想いは、ぼくが持ち得る語彙を総て使っても、とても言い表せないほどのものだ。


忙しいから
時間がないから
やる気がないから
不安だから
眠れないから
苛立つから
寂しいから


そんな言い訳ばかりを積み上げては、健康を意識した暮らしから遠のき、暴飲暴食生活を重ねて身体を壊しかけてしまうだなんて…。まだ何も起こっていないのは「幸運」としか言いようがない。

深く反省して、この2週間、すっかりもとの暮らしに戻っている。介護者としての日々が始まったのと時を同じくして、55年もの間、母が守り通していた台所を引き継いだ。いわばこの5年半の日々は、ぼくの家庭料理修行の時間だったと言ってもいい。母が特別養護老人ホームに入ったからといって、この習慣を途絶えさせる理由はない。

今夜も、久しぶりのメニューを含めて、いくつか作り置いた。これで次の出張から戻るころまで、満たされた食事をいつもいただくことができる。買食いや外食もたまにはいいが、この数ヶ月間は、酷い振る舞いをしていた。若干、依存傾向も現れていたような気がする。定期検査の周期がちょうどそこにやってきたおかげで、そこから早い段階で脱却する心構えができた。本当によかった。

今日の台所仕事の締めくくりに、いつでもすぐに食べられるようにと、生のレタスを丸々一個手で割いて、タッパーに保存した。その作業中、ふと思い立って、スイカの真ん中を独占するかのごとく、レタスの芯の部分──生命の源──をもぎ取って、ひと口に頬張ってみた。


──甘い──


香りもとても芳醇だった。奥歯から伝わる食感とあわせて、脳が心地よく反応しているような感覚を抱いた。

こういう瞬間をいつまでも大切にしていきたい。そして、いつもそばにこんな豊かさがあることを、伝えていきたい。

これから巡り会う、まだ顔も名前も知らない君に。


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