2018年4月29日
大型連休に入った。
みんなどこかへ出かけてしまったのだろうか?
それとも、今のぼくのこころの中がそうありたいとしているのか?
──とても静かだ──
母のこと。仕事のこと。そして自分の身体のことが一度に重なってきたこの一ト月──それぞれ落ち着きを取り戻しはじめている。その気忙しさから少し距離を置いたところで、そろそろ家のなかの整理を始めようという気になった。
母の暮らしの安全と健康を維持するために準備した様々な品品──。
離床センサー代りに使っていた人感センサーとその受信機──風呂でののぼせ防止用に設置したタイマーと浴室内の緊急ボタン──ぼくの外出状況を確認するための手作りの札──脱水状態を回避するため効率的な水分補給をサポートしてくれた経口補水液──介護に関する情報誌──。
お借りしていた福祉用具もじきに返却になるため、いつでも対応できるように整えた。
母の安全を守ることが最大の目的だったことはいうまでもないが、ぼくの介護負担を減らすことも念頭に置いて、仕組みづくりを必死に行ってきた。
この5年半に手にした知識は、いつか誰かと暮らすときに、きっとまた役に立つときがくる。パートナーがもしものときのサポートはもちろん、そのご両親の介護が必要になったときにも、この経験は参考になるに違いない。
そして何より、ぼく自身が不自由になった場合にも同様だ。
2025年には、団塊の世代が要介護となる時代に突入すると言われている。今よりもテクノロジーが進歩したとしても、若い世代が少ない現状を考えると、介護の担い手は十分に確保できそうにない。
遠い遠い未来に、今の若い世代が要介護となるころ、インターネットや携帯電話など、最新のテクノロジーを使いこなせる能力がある分、もしかしたら、なにかが劇的に変わるかもしれない。人工知能やロボット技術も、SFの世界にいよいよ追いつくときがくてもおかしくはない。
けれど、もしもそうなったとして、また別の問題を抱え込んでしまうのが、人類の業である。
──すべての事象には、光と影がある──
そのことを、忘れてはならない。
──あらゆる選択を積み重ねてきた結果が「今」──
介護者として、母と過ごしたこの5年半を振り返りながら、自戒を込めて、強く思う。
──この他の選択はなかった──
そう信じている。
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