【出航】
2018年3月31日
何度かよったか思い出せない場所が、今夜で幕を閉じる。
──BankART Studio NYK──
横浜にあるオルタナティブアートスペース=BankART1929が管理する施設だった。日本郵船の倉庫跡だった場所をお借りして、さまざまな活動を展開してきたチームだ。
ここ拠点に13年──振り返れば、その最初の年だった2005年からご縁が始まった。
場所はなくなるけれど、チームは継続する。既に別に拠点を構え、新たなプロジェクトに向けて準備を始めているという。
今夜の最後の夜は、ここで出逢った沢山の仲間たちとの再会の場となった。
──このまま甘えていてはいけない──
横浜にスタジオを構えていたのは、2012〜2014年の2年間。とても恵まれた環境で、天高が10メートルを越す4000平米以上ある空間だった。そこで出逢った全ジャンルを網羅するアーティスト、デザイナーたちとの協働は、当時のぼくに未知の可能性を開いてくれた。
それも全て、この場所=BankART Studio NYKがきっかけだった。
──帰る場所がある──
どこかここに、そんな安心感を抱いていたような気がする。
場所はなくなっても、変わらないものがある。
──ここで過ごした時間と出逢った事実──
注いでもらった胸いっぱいの想いには、まだまだ十分に応えられていないけれど、きっとまた、この横浜に帰ってくる日が来る──そんな予感めいたものを覚えながら、いつかの日と変わらず、そっとこの場を後にした。
今夜は終わりじゃない。
次の物語を始めるための、船出の夜──。
今はまだ想像もできないかたちで、また逢いましょう。
それが、ぼくたちにできるたったひとつの恩返しだから。
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