【400日──バランス喪失】
2018年2月16日
昨年、母が入院したのは1月11日未明だった。あれから数えると、偶然にも今日は400日目。
今朝、母を再び施設に送り届けてからわかったことがあった。
──バランス喪失──
完全に、何にかもがおかしくなってしまっていた。そのことをどこかで薄々感じながらも、気づかないふりをしていた。
はっきりと自覚したからには、正していかなければならない──そう決めた。
今朝は、母が自宅にいたときと同じ、オムレツにした。ますます食も細くなって、水分もあまり摂れなくなりつつある。
去年まで在宅で看ていたときには、毎日必死に工夫してなんとか食べてもらえるメニューを拵えていた──そんな記憶が、ゆるやかに細りゆく母を見つめて、蘇ってきた。
久しぶりに家に帰ってきて、目に着くものがすべて目新しく映ったのか、周りのものが気になって仕方がない様子で、食事に全く集中できなかった。
今朝は、いただいた巨大義理チョコ(後述)が気になって、たまごをモグモグしながら「チョコちょうだい」と繰り返した。すべての親がそうするように「ごはんを食べたらあげるよ」と、交換条件を提示して、なんとか食べてもらった。
オムレツを焼いたのは前回の一時帰宅のときだったろうか? 自分のためにはやらないから、案の定、だいぶ歪になった。
それでも「美味しい美味しい」と喜んでくれる母──ぼくに娘でもいたら、こういう瞬間にこそ、未だよくわからない「何か」を覚えるのかもしれない。
食後には、母の水分補給を兼ねて、これもまた久しぶりに、ミルクセーキを作った。互いの健康を期して、甘さは控えめに。
それでも、今朝のミルクセーキはなんだか懐かしい味がした。
本当にたくさん、母はぼくに色んなものを作ってくれた。
──美味しいものをみんなでいただくありがたみ──
それを受け止められるよう育ててくれた母に、果てることのない感謝を。
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