主夫ロマンティック

独身中年男子の介護録──母が授けてくれたこと。そして、それからのこと。

【最も苦しいときに大きな決断をしてはいけない】

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2018年1月19日

 

35年のそのキャリアのほとんどをリアルタイムで聴いてきた方から、思わぬ形で介護の話題を耳にした今日は、案の定、何とも言いようのない気持ちに支配されたままだった。

 

来月の母の一時帰宅に向けて、担当ケアマネジャーが着々と準備を進めて下さっているなか、そんな宙に浮いたような心のまま淡々と日々の日課をこなした。

 

最後に母の衣類の洗濯を終えてアイロンがけをしているときには、無心になりたかったのか、何も考えないように、ただひたすらに手を動かしていたかったけれど、やはりそうはいかなかった。

 

 

──こうしている間にも、時間は過ぎている──

 

 

すべてを完了させたところで、軽い空腹を覚えた。無益な報酬は与えたくない。どっかりと座り込んだアイロン台の前からゆっくりと腰を上げ台所へ向かい、湯を沸かしながらそっとその様子を見つめていた

 

 

──お茶で一服──

 

 

これでなんとかしのげる。

 

寿司屋の湯呑みにたっぷり注いだ緑茶入り玄米茶をすすりながら、不在が続き殆ど役目を果たさないままの母のタッチアップをぼんやりと見つめ、最近思いついた楽曲になりそうな断片をギターで爪弾く──。

 

自分も、たくさんの逃げ道に迷い込んできた。けれど、そのどれもがぼくなかで欠けてしまった何かを満たすことはなかった。

 

今では「パートタイム」と言われても仕方のないような状態の創作ではあるけれど、その機会を僅かでも与えてもらえるからこそ、どうにか「今」を生きてこられた気もしている。

 

 

──「最も苦しいときに大きな決断をしてはいけない」──

 

 

今一度、肝に銘じておきたい。

 

森羅万象は、無常である。希望も絶望も、人のこころも絶えず移ろっていく。

 

かつて、なんの前兆もなしに、その「しかるべきとき」が訪れて万事が始まったのだから、またいつか「新しい目覚め」がめぐってこないとも限らない。

 

この先のどんなことがあっても、その目覚めを素直に受け止められる自分でいたい。

 

 

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