主夫ロマンティック

独身中年男子の介護録──母が授けてくれたこと

【その気持ちに憶えがある】

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2017年10月18日

 

言葉では言い表せそうにない感情があふれそうになっている。

 

またしばらく時間をおいて母の面会に行った。そんなに時間は経っていないはずなのに、痩せて元気のなさそうな母の表情をみて、胸が痛んだ。

 

話し相手には困らない。献身的にお世話をしてくださるスタッフの皆さんもいる。それでも、やはりぼくの代わりはいない。

 

 

──この、気持ち──

 

 

知り得るあらゆる言葉を思い浮かべてみても、どれもこの気分にはフィットしそうにない。今、言葉で気持ちにラベリングできれば、少しは楽になれるはずなのに…。

 

言語が誕生する以前、人類はこんな気持ちをどう処理していたのか?

 

理屈が感情を越えることなどないと信じるぼくは、「こうあるべき」と、思考により植えつけられた公的抑圧からは距離を保ってきた。

 

気持ちのゆらぎを否定するのではなく、今、自分のなかに棲むこの感情をみつめ受け止める時間を大切にしたい。

 

心なしか、今日の母は、少し目を潤ませているように見えた。ちょうど都合良く目薬を差す時間になったから、本当のところはよくわからなかったけれど。

 

 

──今日もまた、あの記憶が蘇ってきた──

 

 

子供のころ叔母に預けられて母の帰宅を待ち侘びていたときのこと。

 

気持ちを表現するのに十分な言葉を持ち合わせているはずもなかったころ、きっと、いま施設で過ごす母がよくわからないままに感じている気持ちと似たものを、幼かったぼくも感じていたに違いない。

 

「その気持ちがわかる」

 

とは言わないようにしている

 

 

「その気持ちに憶えがある」

 

 

こうした言葉の肌触りの差を、どうか母にも感じ取ってもらえたらと願う。

 

 

季節の移り変わり目を知らせるように、施設内には、ハロウィンの飾り付けがあった。フエルトでできたそれは、近づいてみると予想外によくできていて、なかなか気が利いている印象がした。

 

もう、あっという間に師走を迎えるのだろう。一瞬一瞬を、今まで以上に大切にしたい。

 

 

取り返しのつかない後悔をしてしまわないように。

 

 

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