主夫ロマンティック

独身中年男子の介護録──母が授けてくれたこと

【言葉では交わしえない想い】

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2017年7月15日

 

今日もまた不思議な1日だった──。

 

午後、母の面会ついでに今後のことについての決定事項をケアマネジャーに伝達に向かおうと家を出たところで、居宅介護支援で尽力いただいた前任のケアマネジャーとばったり出くわした。

 

先方から驚いた様子で呼び止められたのは他でもない

 

──松葉杖姿だったから──

 

こちらが恐縮するほど心配していただいてとてもありがたかった。

 

そろそろご連絡をしなくては…と思っていた矢先だったので、近況とこの先の方針決定についてお伝えした。立ち話になってしまったけれど、とてもお世話になった方なので、顔を合わせてご報告ができてよかった。

 

その出かける前には、やはり在宅介護中に支えていただいた往診医の先生からもご連絡があった。なんだか、背中を押されているようだった。

 

──決めたことを報告するのはなかなか切り出しにくい気分だった。まるでステージ本番前のような…顔を合わせて話し始めてしまえばなスムースに言葉がでてくるのだろうけれど、今日の第一声がその話になるのは少々気が重いと感じていた。それゆえに、この偶然を心から有り難く感じた

 

──これで上手く話せそうだ──

 

施設に着いて、いつものように駐車票を受け取り、森に囲まれた駐車場に車を停めて再度受付に向かう。入館者名簿に名前を書いてタグを受け取りエレベーターホールへ進む──。

 

母が過ごす居室に入ると、広間にあるいつもの席に座って他の入居者の方と談笑しながら、母は洗濯物をたたむお手伝いをしていた。いつもならすぐにぼくに気づくのだけれど、今日はおしゃべりに夢中らしい。

 

その間に自宅で洗った洗濯物を母の部屋に戻す。そんないつもの役目を果たし、ケアマネジャーを呼んでもらった。

 

場の空気や先方の雰囲気にも助けられたのだろう。話は実にスムースだった。

 

この一年の間に起きた出来事とそれを通じてぼくが感じていたことを改めて見つめなおし、現段階での最終的な結論をだした旨、正直にお伝えさせていただいた。

 

全てを伝え終えて安堵したのか、その瞬間だけは少し肩の荷が下りたような気がした。

 

お願いしていた介護保険の認定調査も既に済んでいるそうで、じきに送られてくる結果を受けて新たなケアプランを作成いただくことになった。

 

全ては認定結果次第ということになるが、まずはこれで方針が固まった。

 

母にも昨夜に続いて報告をしたが、相変わらずの笑顔を見せてくれるだけだった

 

──それでいいんだよ──

 

帰る前にはこれもいつも通り、普段母の話し相手になって下さっているSさんとおしゃべり。

 

母より少しだけ先に退所される予定だそうで、毎日リハビリを頑張っておられるそうだ。母とウマが合うからなのか、Sさんもぼくの冗談や自虐ネタによく笑ってくださる。

 

とても品のある優しい笑顔だ。毎日髪の毛もご自身できちんと整えていらっしゃるらしい。身なりもとても綺麗だ。

 

いい時代も大変だった時代もその全部を知ったうえで、今を、ぼくたちを育んで下さったみなさんに、こんなたわいもない会話のひとつでもお役に立てるのなら、こんなに光栄なことはない。

 

入居者のみなさんはそれぞれの体調に差があるから、全員がおしゃべりできるわけじゃない。それでも興味深そうにこちらをみては、目が合うと和かに微笑んで下さる

 

──言葉では交わしえない想いがそこにはある──

 

理屈や思考を超えたところに人の感情というものがある…そんなことを、今夕、改めて考えていた。

 

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