主夫ロマンティック

独身中年男子の介護録──母が授けてくれたこと。そして、それからのこと。

【笑顔は世代を超えて】

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2017年5月25日

 

5年前の秋、母が自宅で転落事故を起こして頭を強打し脳震盪に見舞われたとき、偶然に救急で運ばれた近場の病院…あれからたくさんのことがあったけれど、その病院の系列の老人保険施設に入所できたことは、とても幸運なことだ。

 

自宅からも近くて、都内の環状線近くだというのに環境もいい

 

──逃れることできない定めの時──

 

見送る側として、少しでも思い残すことのないように…この新緑の森を観ると、その願いを自ずと満たしてもらえそうな気持ちにさせてくれる。

 

「こうすけ!」

 

母がぼくの名前を選んだのは、呼びやすいからだそうだ。生家裏にあった京都・妙心寺の住職に挙げていただいた候補から、一番呼びやすそうなのを選んだらしい

 

──そんな風に、名前で呼ばれたのはいつ以来だろうか?──

 

荷物を抱えて部屋に入るなり、ダイニングの母の席から声が飛んできた。

 

入所3日目──。

 

声のトーンから察しても元気そうだ。スタッフの方も気を使ってくださり、お話ができる入所者の方たちと一緒にテーブルを囲んでいた。初日と打って変わって、とても和かな表情だった。

 

よく笑う母のいつもの表情が戻って、まずは一安心。

 

母の隣に寄って、お仲間の皆さんにお世話になっている旨、ご挨拶をすると、母はいつものようにぼくを紹介する

 

──次男です。この子が料理も何でもやってくれるの──

 

人生の大先輩の皆さんの視線が一気に集まり、お褒めの言葉を多数いただく

 

──恐縮である──

 

それを受けて、何か一言、気の利いたことを言わなくては、と思ってしまうのは、母譲りの質、というより、母から学んだ術

 

「お陰で、嫁の来手がないんですよ(苦笑)」

 

世代を超えた自虐ネタは、見事ここでも炸裂した

 

──オチを付けなきゃ気が済まない──

 

京都と大阪のハイブリッドな血のなす業かもしれない。

 

和かに穏やかに──母のように、どんなときもそうありたい。

 

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