主夫ロマンティック

独身中年男子の介護録──母が授けてくれたこと

介護

【自分・自立・自由】

2017年8月15日 母の退所前訪問を前に朝から掃除などを2時間ほどこなした。 施設から持ち帰ってきた母の衣類を洗い、アイロンがけをしていると、また色んなことを考え始めていた。 ──こうして家を守ってくれていたんだな── 「自分」なんて主張し始めて…

【二泊三日】

2017年8月15日 母の退所前訪問があった──。 今月下旬の介護老人保健施設退所を控えて、母の自宅での過ごし方の確認や福祉用具の選定などを行うため、スタッフのみなさんと一緒に母が帰宅した。 三ヶ月前の入所時訪問のときに比べて、だいぶ体力的には…

【今日、こうしていることを誰が知っていたのか?】

2017年8月12日 コレステロールを抑える目的もあって、大好きな鶏レバーを随分控えていた。先の血液検査結果も良好だったゆえ、久しぶりに砂肝と一緒に生姜煮を作った。 ──山盛りに作ったのは、ナイショにしておきたい── 薄味に仕上げたつもりだけれど…

【わかることなんて重要じゃない】

2017年8月12日 今日も朝からせっせと料理を──。 母はいつからだったか、酸味の効いたものを出すと必ず 「男のひとは酸っぱいもん苦手やろ」 と決めつけのような言葉を添えるようになった。 「うん、そうだねぇ」 と流せないぼくは、よく屁理屈を垂れ…

【新しい介護保険証、届く】

2017年8月10日 母の新しい介護保険証が届いた。 こうして区分が上がることは、次の段階へ進めることを意味する。 ありがたい気持ちと安堵のような気持ちと… それとは別の何かが入り混じったような… そんな不思議な時間が今夜、流れている。 #主夫ロマ…

【泣いちゃいそうだよ】

2017年8月10日 今日、午後に母の面会と今後の予定調整のためケアマネジャーと打合せがあった。 母が過ごしている居室の大広間に入ると、いつもの席で母がポツンとひとり寂しそうに座っていた。 これまで母を見守ってくださっていた同じ入居者のSさん…

【米、再評価の日々】

2017年8月10日 横浜時代以来のデュアル土鍋システムを駆使した俗称〈鍋DJスタイル〉で、朝から米を炊く。 ──決して祭りの支度をしているわけではない。炊き上がった米は、即、冷凍保存される── 最近改めて「米」を見直している。 かれこれ20年ほど、…

【あれから6年】

2017年8月8日 たまにはこうして、口も利かずにひとりで呑むのもいいものだ。 墓参りのあと、父の墓前に供えたのと同じビールを瓶でいただく。京都生まれの父は当然のようにASAHI一辺倒だったようだが、存命だった1971年までに、この銘柄はもちろん登場…

【父の命日】

2017年8月8日 8月4日──父の命日。 昨日、数日遅れて墓前に向かった。 寺町だけに最寄りの便利店には線香の取扱いがあったのだが、時代の波には逆らえなくなっていた。合併され設えも新たに見慣れた店舗と化した馴染みの店では、案じた通り「売上の少な…

【夏の夕暮れ】

2017年8月6日 リハビリと称して、懐かしい横浜の街を松葉杖をつきながら闊歩した昨日の疲れを未だ覚えながら、蝉の声が響き渡る夏らしい空をぼんやりと見上げている。 ──ひとりの時間を楽しみ過ぎだ── 5年もの間、こんな時間は味わえなかったのだし、…

【夢に出るほど縁遠い】

2017年8月3日 「まだあの人は夢にででけえへんは」 母は夢の話になると、よくそう口にしては、いつもの笑顔を添えて大きな声で笑った。 続いて父のことを引き合いに出すから、ぼくは毎度のように 「おかげで長生きさせてもらっているじゃん」 と返して…

【さよなら介護ベッド】

2017年8月2日 母の今後の介護プランについてケアマネージャーと話し合いを続けて、昨日、方針が決まった。 今回の方も現実と照らし合わせながら慎重にアイデアを出して下さる。そしてありがたいのは、今のぼくの状況をとても考慮していただいたこと。 …

【父の遺言】

2017年8月1日 母が入所している老人保健施設があるこの場所は、江戸時代には城内だった場所らしい。陽当たりのいいこの丘でお殿様らがある嗜みに興じていたのだという。どおりでここは、他とは違う空気が流れているわけだ。ここへ来ること自体、苦にな…

【母へ。ありがとう。】

2017年8月1日 膨大な時間を費やした。 何の目的もなく見返りも求めずに、ただただ必死で取組んだ。いや、無心といった方がよいのか? 今の気分を強いて言葉にするならこうだ ──満ち足りている── あれから30年、積み上げてきたすべてを一曲に注いだ。そ…

【あれから3年】

2017年7月31日 昨日の夜、黒猫に逢った。 常軌を逸するとはまさにこのことかと我ながら呆れるほど連日昼夜問わずに敢行した〈GET WILD REMIX〉。そのための作業を明け方まで行って眠りに就こうとしたもののかなわず、結局不眠のまま朝一番で血液検査…

【左手に乳母車、右手に・・・】

2017年7月25日 比較的楽に電車移動ができるようになってきたものの、未だ松葉杖生活が続いているある夜のこと。静まり返った都会の真んなかの駅で階段を登ろうとしていたとき、とても印象的な光景を目にした。 左手に乳母車、右手にお子さんを抱きか…

【自分の家族】

2017年7月25日 昨日、久しぶりに母の面会に行った。 受付時間終了間際にいったものだから、母はもうすっかりベッドに横になっていた。布団に包まり顔だけだして丸くなっている様子を見ると、なんだかとても可愛らしく見えた。食欲も出てきているらし…

【早朝主夫ロマンティック】

2017年7月25日 今日は早朝主夫ロマンティックの日──。 土鍋を使った麦ごはんと蒸し鶏を作ってしまったものだから、相当長丁場の調理となってしまった(恐らく4〜5時間?)。 それでも、料理中に音楽を楽しめることを思うとこれも貴重な時間と言える ─…

【昼夜逆転仕事人】

2017月7月22日 どうりでもう目も霞んできたかと思ったら、午前11時を過ぎていた。 なんだかこんなに集中して作業ができるのは随分懐かしい感じだしありがたいのだけれど…慣れ親しんだ昼夜逆転仕事人とはいえこんな調子で進めてはいけない。 豆苗に水…

【非常常時──すべては当たり前のことなんかじゃない】

2017年7月20日 乗ることなどまずない下りの通勤電車に揺られた朝──。 この時間帯、優先席に空きはない。内部障害を抱えているとも思えない風体の輩が我関せずとばかりに踏ん反り返って見苦しい図体をシートに沈めている。 立っていることも、30分くら…

【だからぼくは、生きる。】

2017年7月18日 もういつ頃のことだったか、思い出せなくなりつつある。 母を風呂に入れようとガウンに着替えさせて、二階の寝室から階段を一緒に降りていたときのことだった。母が突然体調を崩して途中で座り込んで立ち往生してしまったことがある。 …

【言葉では交わしえない想い】

2017年7月15日 今日もまた不思議な1日だった──。 午後、母の面会ついでに今後のことについての決定事項をケアマネジャーに伝達に向かおうと家を出たところで、居宅介護支援で尽力いただいた前任のケアマネジャーとばったり出くわした。 先方から驚い…

【夏の夕暮れに】

2017年7月14日 昼間の暑さを越えてこの時間になると、涼やかな風を感じる。こんな夕方に当たると、母がいつも口にしていたことがある。 時刻は19時を過ぎて、まもなく面会時間を終えるころになっていた ──今朝、決めたことを母に伝えに行く── 表に出…

【この風のわけなどいらない】

2017年7月14日 I've just made a decision. まだ梅雨の明けきらない東京のある日の早朝、ぼくは遂に決断した。 ようやく陽が昇りかけた頃、一晩かけて淹れた水出しコーヒーで一服しようと台所に上がって、この5年、見つめ続けた西向きの小窓の前に立…

【Beside you.】

2017年7月14日 最寄りにこの路線の駅ができた小学校4年生から高校を卒業するまで、この電車に乗って学校に通っていた。 この駅で乗換えて、どういうわけかだか未だ知らないけれど、ここだけ土台の桁の高さが変わったこの場所で、いつも帰りの電車を待…

【秋を待ち侘びる】

2017年7月13日 室内温度の上昇も気にせず、食事のときはカーテンを全開にして空模様を伺っている。 こんな青空に狂喜できなくなったのは、いつの年ごろだったろう? そろそろ学校は夏休みに入る時季らしい。 ぼくはもう、今から秋が待ち遠しくてなら…

【ただ在るだけの日々】

2017年7月11日 入院時と違って、母との面会も回数が減ってきた。 今では週に一度程度となっているが、それでもすっかり顔を憶えられたらしい。 このところは母よりも、母の話し相手であり見守り役にもなって下さっているSさんと会話することの方が多…

【体験と経験の違いとは何か?】

2017年7月11日 松葉杖での移動は想像以上に堪える ──身体に、そして心に── 腕の力で身体を支えながら歩く…これがこんなに難しいとは思いもよらなかった(太ももの方が大きな筋肉が付いているのだから、二足歩行の方が楽なのは当然か?) おかげで体重…

【白湯──朝の習慣】

2017年7月7日 だいぶ前から朝に白湯を飲んでいる。 適温にするのに沸騰させたお湯に水を差していたのだけれど、最近それではあまりに色気がないと思って、ガラスの急須〜磁器のコップ〜マグカップの順で移し変えて温度調整をしている。 今日初めて温度…

【いま在るということ】

2017年7月6日 新しい駐車場に戻ってきた時間はちょうど夕暮れだった ──そうかこの道は真西に向いているんだな── これから当分この光景を拝めるかと思うと、なんだか嬉しくなる。 そして今夕も、いつものように光に抱かれ、救われた。 こうして、いま在…

【あなたがあなたであること】

2017年7月6日 疲れがぼくを苛立たせるのか? それとも苛立ちがぼくを疲弊させるのか? お陰でこのところ、なんだか空回り気味だ。 冷静に起きたことを分析すれば、この望まぬ出来事も体験として価値があるのだけれど、どこかに「引っかかるもの」があ…

【風向き──東京オリンピックに備えて?】

2017年7月6日 2020年? 7月から駐車場が変わった。 近年、自宅周辺の月極駐車場そのものがなくなりつつある。各オーナーがそれぞれ、土地の有効活用に乗り出しているのだという気配を感じていた。 恐らく同じ理由でこれまでのところから退去せざるをえ…

【梅雨の晴れ間に】

2017年7月5日 台風一過の東京。照りつける太陽の下、実に久しぶりに布団を干している──。 梅雨に加えて股関節を痛めていることもあり、だいぶながい間干せなかったから、今日はまさに待望の晴れ間である。 母が現役主婦だったころ、こんな日にぼくが外…

【好意は素直に受け止めるべし】

2017年7月3日 真夏の厳しい陽射しを先取りした今日、珍しく朝から夕方まで外出した。 午前中は、母の今後のことを含め、入所中の老人保健施設の担当ケアマネージャーとの相談に費やした。 時間が逆戻りでもしてくれない限り、考え得る起きるべき事象に…

【いつまでも忘れないでいよう】

2017年7月1日 換気扇のフィルター交換──。 半年に一度、この作業をするたび、あの日のことを強く思い出す。 それまで聴いたことがなかった、まさに巨大な物音が家中に鳴り響き、昼過ぎまで眠っていたぼくを瞬時に叩き起こした。 音を扱う身として、ど…

【ずっとそばにいる】

2017年6月29日 完成したばかりの「独り千羽鶴ウォール」を肴に、今夜はそうめんをいただく。 母が集めていた昭和レトロなガラス食器に、このところ気に入ってよく食べているさつま揚げと野菜揚げ、じゃこ天とあじ天を盛り、みょうがや大葉など薬味も…

【どこへいってもひとりじゃない】

2017年6月29日 母の退院からおよそ二タ月が経ってから初めて、循環器内科の外来受診があった。 同じ医療グループの介護老人保健施設に入所中につき、病院へ向かう際も素晴らしい連携で付添いもとても楽。お隣まで僅か2分程度の移動にも送迎車を出して…

【独り千羽鶴、完遂!】

2017年6月28日 独り千羽鶴、完遂(計1020羽)──。 今夜も量産ペースを崩さず、最後の20色目51羽も2時間強で折り上げた。 半分の500羽を超えた先月ごろからだいぶ作業から遠のいて遅れてしまったけれど、量産化を果たしてから挽回。当初の見積り通り、…

【冷えた麦茶を飲むたび想い出す】

2017年6月28日 後片付けを終えて、麦茶で一服──。 特に夏場は旨い麦茶。この季節、麦茶を飲むと否応無しに想い出す ──練習中は水を飲んではいけなかった時代の運動部の日々を── 100本ノックを受けてヨシがでたところで上がらせてもらえ、一杯だけ飲ま…

【土鍋で味噌ダレ蒸し鶏】

2017年6月27日 夕食を摂りつつ、その傍では、土鍋に放り込むだけの蒸し鶏を拵えていた。 食後に仕上がりを確認するも、タレを作る気力がもうない、と諦めかけたところで、食後の皿に余っていた鯖の味噌煮にタレを転用してみることに。 土鍋いっぱいに…

【雨ふりは危険がいっぱい──松葉杖生活、継続中】

2017年6月27日 早朝、小雨のなかリサイクルゴミを出しに向かうと、マンホールのうえにうっかり松葉杖を着いてしまって、あわや転倒しかけた。 不自由な身でもとっさに反応できるものだと感心しつつも無理な力が掛かったせいか、またも痛みを強いられ…

【969──千羽鶴19色目】

2017年6月27日 独り千羽鶴19/20色目、完成──。 これで、51羽ある(予備のためか各色1枚つず加えられている)。 「独り」流れ作業による量産方式に切り替えてから、2時間と少しで折れるようになった。始まりのころが30分で5羽しかできなかったかと思う…

【会いたい──千羽鶴あと100羽】

2017年6月26日 千羽鶴18/20色目は、若草色? 赤や黄の、目に刺激のある色が続いたあと、終盤に差し掛かり優しい緑系となった。そういえば、始まりに選んだ色も緑だった。子供のころ、ぼくが緑色が好きだと気づかせてくれたのは、やはり母だった。 夕…

【みんな母さん──千羽鶴あと150羽】

2017年6月25日 2色目にして最後の黄色を折り終え、あと残り3色150羽となった千羽鶴。この工程まで辿り着くと毎度安堵する。 夕方、コインパーキングの門限につき一晩出庫できなくなっていた車を回収して、その足で母のところへ面会にいった。ちょうど…

【早朝主夫ロマンティック】

2017年6月25日 松葉杖での電車移動が相当堪えたのか、深夜に朝まで作業をするつもりが居間のソファーですっかり寝落ちしてしまった。 早朝に目覚めると、ソファーのクッションが身体に優しかったのかそれとも荒療治が効いたのか、股関節の痛みもだい…

【全能の非考社会】

2017年6月23日 コインパーキングに門限があることを知らずに車を預けて食事に向かってしまい、不覚にも翌朝まで託さなければならない羽目になった間抜けな46歳がひとり、人で埋め尽くされた金曜深夜の駅に佇んでいた。 安全柵のないプラットホーム。…

【昼夜逆転仕事人】

2017年6月21日 今に始まったことではないけれど──。 このところ超夜型になっている理由はここにもある。 松葉杖を突いて身体の自由が効かないため、夜遅い時間から行動した方がストレスなく過ごせる。 高架下の駐輪場も昼間とは打って変わって閑散と…

【やってみることの価値】

2017年6月21日 ひとり千羽鶴もようやくあと5色までたどり着いた。 一工程ずつ折る量産方法と1日で使える時間を考えても、最短であと10日はかかる ──ここまで全20色中、15色── 1色50羽を3時間として、費やしたのはせいぜい50時間、か? こうして数字…

【ひじきごはんのレッドカレー】

2017年6月21日 今夜も作り置いたレッドカレーをひとりいただく──。 少しでもバリエーションを、と、ごはんにやはり作り置いていたひじきを混ぜてみた ──これもまた売れそうな味── だがしかし、今日もひとまず自分を肥やすためだけに食すのである。 ──…

【Pink Cloud──桃色の空】

2017年6月21日 Pink clouds before the dark. 夜を越えて作業に没頭して眠りに就いたのはヒルをだいぶ過ぎてからだった。 夕暮れどき、ようやく目覚める。 起き抜けは股関節痛の痛みが最も激しい時間だ。何も頼らない状態では一歩目が未だ出せず、今…