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主夫ロマンティック

独身中年男子の介護録──母が授けてくれたこと

【こころを写す鏡】

2017年4月26日 人は互いを写す鏡──。 今の母は、見事にぼくのこころを写し出す 施設の空きを待ちながら続く入院も、いよいよ期限が迫ってきた。例外として延長もあるのか? と想像してはみたけれど、やはり制度は皆に等しく適用される。 5月中旬まで…

【さよなら炊飯器】

2017年4月26日 ぼくが台所を引き継いでから使わなくなった炊飯器。知人のもとへ旅立つ予定が浮上したので、動作確認をした。 できる限り汚れを落とし綺麗に身支度をして、スイッチON。炊飯器で米を炊いたのは、実に4年半振りだった。 つけ置き時間を…

【昭和レトロなガラス食器】

2017年4月25日 昭和の名残り──。 昨日からようやく着手した、母の食器コレクションの整理。 新宿の家からここに越して来るときに梱包されたままだった段ボール箱の山を初めて開けたのは、たしか3年前のこと。あまりの数に慄き、そのまま押入れの一番…

【包丁1本40年】

2017年4月25日 料理を終えて、切れ味の衰えた包丁を研ぐ──。 親指の爪の上で滑らせ刃のばりを取り除いたことを確認してからバナナを切り落としてみると、実にいい切れ味。断面も美しく、舌のうでの感触も全く違う素晴らしさを体感したが、やや切れす…

【自分のためなら料理は作らん】

2017年4月25日 このところ睡眠時間は少ないのに、目覚めが実に快調だ。 眠りの浅い周期にタイミング良く起きるからに違いない。ながらく活用している睡眠の質をモニタリングするアプリの集計データがそれを物語っている。 せっかく早起きしたから、ま…

【忘却を誘う快晴】

2017年4月24日 大切なことをぜんぶ忘れてしまいそうな快晴に包まれた東京──。 こんなに爽快な1日の始まりは… あまり記憶にないかもしれない。 #快晴 #sky #東京 #tokyo #bluesky #feelgood #爽快

【福音】

2017年4月21日 今夜も母の見舞いへ。 夕食後の時間に病室へ入ると、母はもうすっかり寝入っていた。テーブルの上にいつも置かれているリハビリ科からの予定メモを覗くと、今日は朝から午後にかけて、短い時間に3回のリハビリがあったらしい。きっと…

【起きてもいないことは考えない】

2017年4月20日 母が入院する新病棟は、伸びやかな光が心地よく射し込んでくる。 見舞いに行く側にとっても…そんなことを考えるたび、10年以上前に関わらせてもらった特養老人ホームのための作品プランをしていたころを思い出す 入所者だけじゃなく…

【鶴、5色目】

2017年4月19日 鶴、5色目──。 そろそろ折り返しに近づいてきたのだろうか? できたそばから吊るしていく方がよさそうな気がしてきたが、とにかくまずは無心で折り続けたい。 #主夫ロマンティック #介護 #介護者 #在宅介護 #介護独身 #シーズン5 #介護…

【帰る場所があるから】

2017年4月13日 「川瀬さんは人気ものですから」 ──母のことである── 先日見舞った際、リハビリ担当者との会話のなかで、そんな一言があった。確かに母のリハビリの時間は、笑顔が絶えない。時折冗談をいったりおどけてみせたり…。はたから見ていると…

【爪切り】

2017年4月11日 夜、母を見舞う──。 今日で母が入院してからちょうど3ヶ月。すっかり伸びきった手足の爪をカットするため病室へ向かった。 手の爪くらいは自分でできるかと思いきや、だいぶ危うい様子だったため、ぼくが切ることに。やすりがけもうま…

【冷蔵庫の品書き】

2017年4月6日母の不在が続くなか、作り置きおかずの品書は必要ないのだけれど…この習慣は続けていきたい。 #主夫ロマンティック #介護 #介護者 #在宅介護 #介護独身 #シーズン5 #男の料理 #料理男子 #料理中年 #介護者卒業間近 #品書 #冷蔵庫 #ホワイ…

【お引越し】

2017年4月3日 かつて母の手を引いて歩いた臨時駐車場だった土地に新しい病棟が建設され、この春、予定通りオープンした。母が入院しているリハビリ病棟もすべて新棟に引越しとなり、今夜、その真新しい病室へ母を見舞いに向かった。 新しい病棟に引越…

【幸運】

2017年3月16日 久しぶりに母を見舞った──。このところ話題もなく、顔を合わせても母はぼくが持参した新聞に目を通し、ぼくは弁当を突くだけになっていたから、見舞うこと自体が苦痛だった。得体の知れない疲れにしばらく支配されていたのは、そのせい…

【つぼみ】

今年もどうやら例年通り、桜のころを迎えているらしい。 この1週間、母の見舞いから完全に遠ざかっていた。家からもさほど離れていないし、向かえない特別な理由があったわけでもない。いや、もしかしたら、単に拒絶していたのだろうか? 繰り返される変わ…

【聖イグナチオ教会】

先日、ふと思い出して立ち寄った聖イグナチオ教会。兄の結婚式以来だから、たぶん20年ぶりくらいの再訪になる。 当時の礼拝堂は、新築された現在のものとは違って、とてもクラシカルな佇まいをしていた。当日はビデオ係だったから、どこかにあの礼拝堂の様子…

【present】

2016年1月22日 母との変わらぬ日常が続く──。 寒さが厳しくなるこの1月下旬、母の脳梗塞発症から1年が経過しようとしている。過去3年、調子を上げては奈落の底に突き落とされた経緯があるものだから、こんな元気な様子を見せ付けられると、安堵を…

【バジルパスタ】

2016年4月20日 いただいたジェノベーゼ バジルペーストを使って、BankART Cafeの名物になりつつあるバジル・パスタを再現してみた ──旨い── パスタ好きの母だけに、今夜の夕食は残さずぜんぶ食べきれた。 これはもしかすると、ミキサーを手に入れてオ…

【いのちの選択】

緑深まる季節を迎えた。 そして今年の春にもまた、ある選択をすることになった。 母の心臓の状態を詳細に調べるための検査入院をお願いすることにした。検査を行うだけでもリスクが伴うため、ひと月ほど費やしてあらゆる可能性を検討したうえで慎重に結論を…

【愛のかたち】

このところ、この丼ぶりを毎朝、母と食べている。 納豆・豆腐・枝豆を混ぜ合わせて、もち麦入り雑穀ご飯にのせたもの。どこかのテレビ番組で紹介されていて試してみたらとても美味しく、卵黄をのせたり、チーズを混ぜたり、おかかを振ったり…今日は、焼鮭も…

【想いは伝わるのか?】

プリンスの訃報を受けて以来、彼の作品を聴き返している。 かつては、そのサウンドばかりに耳がいっていたが、ほんの少し英語を嗜み始めたここ数年は、その歌詞の内容が気になるようになってきた。誰よりも「究極のもの」を求めていたに違いにない彼が、そ…

【迫り来る新たなる決断】

横浜に2ヶ月だけ借りた仕事場からの図。 ここへきて、早くも2週間が過ぎた。 つまりもう、残り6週間だけの仕事場、となっている。 海辺の街は、雨の様子もまたひと味違って映るものだ。 ここへ向かう前の午前中、先週に母が受けた心臓検査の結果を聞きに…

【これがテレビ電話だよお母さん】

APPLEがFaceTimeをリリースしたのはいつだったろうか? そもそも通話はほどんどしないし、電話は顔が見えないからいいのだし…テレビ電話だなんて…恥ずかしいから…と、使うあてが見つからないままだったけれど、ついにその日がやってきた。そしてまさか、その…

【ぼくたちはここにいる】

今日は早い時間からスタジオにいく予定にしていたのだが、体調が持ちなおさず、自宅作業に切り替えた──風雨が吹き荒れた午前中、母を風呂に入れる前になって、昨日に続いてめまいを覚えた。もしやと思い血圧を測ると、見事予感は的中。降圧剤が効きすぎてい…

【42ヶ月】

42カ月──母が事故を起こしてから、丁度、3年半が過ぎた。丸3年が経ったとき、なんとなく一区切りついた気がしたけれど、それからもう、さらに半年も時を重ねたことになる。そして今はこうして、母とぼくのために、作り置いたおかずを弁当にする日々が始まっ…

【母たちのセカイ】

今の母にしか感じられない世界 (母と同じ未来がぼくに訪れたとき、どんなに虚しい気持ちになるだろう) ぼくはこれまで、できないことが増えていく母をみつめては、そんなふうに一方的に嘆いていた。けれど、それはきっと違う──母には今の母にしか感じられ…

決断を迫られるのはいつもぼく──次男・浩介

2015年10月15日──家の中で転落事故を起し、左側頭部を強打。脳震盪を起こした母は、1週間の入院予定となった。頬の感覚もなく、ぼくが誰かさえわからなくなるほどの状態から、1日経過してどう変化しているのか? 入院翌日の午後、指定された時間に病室へ向…

2012年10月15日──始まりの日

素直になりたい。 ぼくはそれだけを願って生きてきた気がする。 母、浩江。1933年(昭和8年)生まれ。山羊座。 今から6年前──2009年3月14日、母の3つ歳上の姉がなくなった。享年78歳。それからだった。母が死に支度を始めたのは。 ぼくは当時、横浜市からの…

主夫ロマンティック誕生──はじめに

映画《アンダーグラウンド》のラストカットで、自由奔放で破天荒な主人公がこう言い放つ──昔のことは忘れろ──。 確かにそうかもしれない。 母の介護が始まって、まもなく丸3年になる。この期間、ぼく自身にとっても色んなことがあった。キャリアとしても重要…