主夫ロマンティック

独身中年男子の介護録──母が授けてくれたこと。そして、それからのこと。

2016-04-02から1日間の記事一覧

【母たちのセカイ】

今の母にしか感じられない世界 (母と同じ未来がぼくに訪れたとき、どんなに虚しい気持ちになるだろう) ぼくはこれまで、できないことが増えていく母をみつめては、そんなふうに一方的に嘆いていた。けれど、それはきっと違う──母には今の母にしか感じられ…

決断を迫られるのはいつもぼく──次男・浩介

2015年10月15日──家の中で転落事故を起し、左側頭部を強打。脳震盪を起こした母は、1週間の入院予定となった。頬の感覚もなく、ぼくが誰かさえわからなくなるほどの状態から、1日経過してどう変化しているのか? 入院翌日の午後、指定された時間に病室へ向…

2012年10月15日──始まりの日

素直になりたい。 ぼくはそれだけを願って生きてきた気がする。 母、浩江。1933年(昭和8年)生まれ。山羊座。 今から6年前──2009年3月14日、母の3つ歳上の姉がなくなった。享年78歳。それからだった。母が死に支度を始めたのは。 ぼくは当時、横浜市からの…

主夫ロマンティック誕生──はじめに

映画《アンダーグラウンド》のラストカットで、自由奔放で破天荒な主人公がこう言い放つ──昔のことは忘れろ──。 確かにそうかもしれない。 母の介護が始まって、まもなく丸3年になる。この期間、ぼく自身にとっても色んなことがあった。キャリアとしても重要…