【やってみることの価値】
2017年6月21日
ひとり千羽鶴もようやくあと5色までたどり着いた。
一工程ずつ折る量産方法と1日で使える時間を考えても、最短であと10日はかかる
──ここまで全20色中、15色──
1色50羽を3時間として、費やしたのはせいぜい50時間、か?
こうして数字にすると短いような気もするが、始めた頃は、5羽折るのに30分はかかっていたから、あのペースだと100時間。毎日やって最短でも3ヶ月はかかる計算になる。
無論、そんなに勤勉にできるはずもない質だから、このところの量産ペースに入ったとはいえ、開始から既に4ヶ月が経過している
側から見れば「まったく無駄なことを」と言われるに違いない。
──ひとりで千羽折るなんて馬鹿げている──
けれど、何事につけ最近想う。
──やってみることが大切──
いつからか、つい見返りや成果ばかりを重視しすぎてきた
──無駄かどうかはやってみないとわからない──
完遂して、何も得るものがなくてもいい。
誰かを想ってただひたすらに手を動かし、この人生の一瞬を捧げたという事実だけは、変わることはないのだから。
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2017年6月22日
眩ゆい黄色に目がくらむ
──千羽鶴16/20色目50羽を2時間半で折り上げる──
あと4色200羽(嘆息)
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【ひじきごはんのレッドカレー】
2017年6月21日
今夜も作り置いたレッドカレーをひとりいただく──。
少しでもバリエーションを、と、ごはんにやはり作り置いていたひじきを混ぜてみた
──これもまた売れそうな味──
だがしかし、今日もひとまず自分を肥やすためだけに食すのである。
──嗚呼、旨い!
母は、牛肉をトロトロに煮込んだカレーをよく作ってくれた。ルーはいわゆる市販のものだったけれど、色々とスパイスやスープを混ぜ合わせて、とても濃厚な味わいだった。
確か90年代初頭、米不足でタイ米などが代替品として輸入されていた時期、母は粟やヒエなどを混ぜて炊き、食感を増すための工夫をしていた。
今ぼくが胚芽米やもち麦を使っているのも、あの当時の記憶があるから。玄米もよく食べた。以降、咀嚼欲が強くなったのか、しっかりよく噛みたいから、白米だと少し物足りなく感じてしまう。
隅々まで、母の影響を感じずにはいられない今があることを、とても幸運に想う。
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【Pink Cloud──桃色の空】
2017年6月21日
Pink clouds before the dark.
夜を越えて作業に没頭して眠りに就いたのはヒルをだいぶ過ぎてからだった。
夕暮れどき、ようやく目覚める。
起き抜けは股関節痛の痛みが最も激しい時間だ。何も頼らない状態では一歩目が未だ出せず、今日も松葉杖を使って台所のある2階へ上がった。
降りしきっていた雨は止んだらしい。いつもの窓辺に近づくと、ドラマチックな夕景が目に飛び込んできた。
ポシェットに入れて片時も離さないiPhoneを取り出して(動けなくなったらこれが唯一の生命線ゆえに)、慣れた手つきでシャッターを切った。
もちろん実際は、こんなにドラマチックには見えてはいないのだけれど、ぼくの心象にはこれくらいのイメージに映っていたのである。
もうすぐまた静かな夜がやってくる。
独りでいるのも、悪くはない。
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【かつて当たり前だったこと】
2017年6月20日
健常であったことの幸運を身にしみて噛みしめるこの頃である。
母のレンタル・リネンの代金支払いのため、近くの便利店まで歩く
──往復で600メートル──
それだけで汗ばむほどの疲れが襲う
──こういうことにならないように──
と、素人知恵で鍛えたのが仇となりこうなっているわけだが、僅かの外出でこれだけエネルギー消費するなら、結果として目的を達成できるのかもしれない。
4年前、《LIVE BONE》劇場版を制作中にも古傷が再発して、母を病院に連れて行きながら傍で悶絶していたが、あのときより痛みはないのであまり心配はしていない。しかし、あの頃手元にあった有効な治療手段がいまはない(近所に、凄腕で相性のいいカイロプラクティックの先生がいらしたが、国に帰られてしまったらしい)。
おそらく全治には2ヶ月ほど掛かるだろうから、真夏の直前まで辛抱のときが続く(遠い目)
それにしてもこのポシェット…なんとかならないものか? 40半ばにして「ポシェット」だなんて(苦笑)
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【初めての自家製甘酒】
2017年6月20日
深夜、自家製甘酒を仕込んでみる──。
一定温度で保温できる機器がないため、土鍋に米とお湯、麹を入れて放置。
さて美味しくできるかな?
昼過ぎ、自家製甘酒、完成!
──これはイケナイものを作ってしまった気がする──
土鍋に放り込んで一晩置く…これでは当然十分な保温はできないため、4時間ほど経ったところで温度計を蓋の蒸気抜きの穴から射し込み、注意深く50℃くらいまで再加熱して、また放置。
8時間経ったところで味見してみると、米のほどよい歯ざわりを残したまま麹の甘味が口の中に広がり、甘酒との出逢いとそれにまつわる様々な記憶を呼び覚ましてくれた。
そもそも甘酒を頂いたきっかけは、断酒していた時期のことだった。ある日本酒バーに連れられていったとき、そんな事情で食事だけのつもりで失礼する旨、店主の方に伝えると「麹の甘酒はノンアルコールですよ」とお薦めいただいたのである(酒粕で作られたものはアルコールが含まれているらしい)。
そうして頂いた、その冷の甘酒が、思わずその場でネット検索して注文しそうになってしまうほど、あまりに美味しくて驚いたことをよく憶えている。
それから、飲めない事情のときに、最初の一杯に、または栄養補給に、よく頂くようになった。スーパーマーケットで売られている出来合いを買ってきたこともある。
──自分でも作りたい──
そう思うのは、食欲ならぬ「職欲」だろうか? いや、これもまた母の影響でだろう。
昭和ひと桁生まれの母は、戦中を含めて何でも自分で拵えてきた世代。食事の席やテレビの情報番組で何かを見るにつけ「これ、作ったことあるで」とよく話をしてくれた。先ごろ大豆や小豆を自分で作ってみたのも、そうした会話の記憶があったからに他ならない。
甘酒も正月によく作ってくれた。母の甘酒は、酒粕を使ったものだったけれど。
──こんなに甘味が自然とでるんだ──
いくつになっても初めての体験による新鮮で素直な感動は忘れがたい記憶になる。
今日の甘酒は、いつものもち麦入り胚芽米を炊いたついでにやってみたもの。仕上がった甘酒のタネに、同量程度の水と岩塩を少し足して冷たいままいただく
──嗚呼、旨い!──
200gの麹と一合の米でできたタネは、朝と夜、二度に分けて既に胃袋の中に移し替えてしまった。
これから夏の時季、米を炊くたびに作ってしまいそうな予感がする。
いつか母にも飲ませてあげたい。
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【壊れた身体で母を想う】
2017年6月19日
明け方、駐車場から自宅まで300メートルの距離を松葉杖を突きながらひとり歩く。
ちょうど一年ほど前のこの季節までは、病院へ診察に向かうため、母はこの道を歩いていた。地球の裏側まで旅したこともある母が、この300メートルを15分もかけて休みながら進む様は、観ているだけで辛かった。
故障により不自由を強いられる身になってみると、ひとつの動作だけで激しく体力を消耗していくことがわかる。両腕の腕力を頼りに身体を支えながら歩くのは、未だ筋力が十分にあるぼくでさえ持久力が試される。数歩行っては休む…それを繰り返していると、母の苦痛をこれまでより深く想像できる気がした。
──あと一歩──
それが出せないときがある。だから危険な体勢で動作してしまい、そうやって事故に繋がっていく。
考えてもできなくなるときが必ず来るから、身体に覚え込ませたいと必死だったけれど、身体が言うことをきかなくなるときもある。
──ぼくにもいつかそのときがやって来る──
そのとき、どんな風にこの日々を想い出すだろうか?
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